今回は、以前にご紹介した観葉植物の育て方や日頃のお手入れ方法の「後半編」です。
室内で育てている観葉植物を元気に保つための「肥料やり・植え替え」のポイントついてご紹介します。
是非参考にしてくださいね。
肥料やり
観葉植物の健康状態を良好に保つためには、定期的な肥料やりが必要です。
肥料やりは、土の中にある養分だけでは足りないときの「栄養サポート」の役目をします。
肥料にふくまれる成分は「茎や葉を元気にする窒素(N)・実や花に活力を与えるリン酸(P)・根や茎を元気にするカリウム(K)」の3要素です。
肥料を与えるのは「茎が細く元気がない・葉がきれいな緑色をしていない・花を咲かせたい」と感じたとき。
与える時期は気温の高い7~8月、生長の乏しい12~2月は避けるようにしてください。
商品によって適切な分量が異なりますので、注意書きをよく読んでおきましょう。
・有機肥料と無機肥料の違い
知識がないと店頭で肥料を購入するとき、どれを選べば良いのか迷ってしまいますね。
観葉植物に与える肥料は「無機肥料」を選択しましょう。
有機肥料は鶏糞や油かすなどの天然素材を利用してつくられたもので、窒素・リン・カリウムの配合比率があまりはっきりしていません。
一方、無機肥料は3つの成分の配合を計算してバランス良く作られているので、観葉植物の肥料としては適しています。
無機肥料のパッケージには「8-8-8」「16-16-16」などの数字が記載されていますが、これらは要素の成分濃度を表す数字で「数字が大きいほど濃度が高い」ということを表しています。
小さな観葉植物に高濃度の肥料を与えると負担になります。
そのため、小さな鉢におさまっている観葉植物には「5-5-5」程度の肥料、大型の観葉植物には「12-12-12」くらいの肥料を与えるとよいでしょう。
・固形肥料と液体肥料の違い
固形肥料と液体肥料の一番の違いは効き目の早さ。
固形肥料は土の上に置くと水分によって成分がゆっくりと溶け出すので、数ヶ月または数年と長い時間をかけて効果を発揮するのが特徴です。
一方液体肥料は、そのまま与えるストレートタイプや希釈して水やりのときに一緒に与えるので、速効性が期待できます。
ただし、効き目は長くても10日程度と考えておきましょう。
固形肥料を使用するときに注意する点は、根から離れた場所(鉢のきわに沿って)に置くことです。
固形肥料が直接根に触れると「肥料やけ」をおこす場合があります。
小さな鉢で育てているなら、直接触れても肥料やけを起こさないタイプの固形肥料を使うと安心です。
・活力剤は肥料とは違う
活力剤は「土に挿す・希釈して与える・直接スプレーする」など、さまざまなタイプが販売されています。
「植物を元気にする」という点において肥料と混合されがちですが、活力剤はその名の通り観葉植物に活力を与えるためのものであって、基本的には肥料成分が入っていません。
使用するときは記述の肥料をしっかりと与えた上で、補助的な役割として活力剤を利用するとよりよい効果が期待できます。
植え替え
観葉植物が根詰まりを起こさないためには、定期的な「植え替え」が必要です。観葉植物が生長するにつれて、鉢の中では根が広がっていきます。
鉢に対して根の分量が大きくなると、土の栄養が不足したり、酸欠になったりして十分な養分が植物に行き渡らなくなります。
植物の生長具合によって異なりますが、植え替えをする間隔は約1~2年間。
「観葉植物に対して鉢が小さいと感じる・鉢底穴から根が出ている・水やりをしても土に染みこまない」などの兆候が見られたときは、新しい鉢に移動させてあげましょう。
・植え替えの適期
観葉植物の植え替え適期は5~9月。寒い時期の植え替えはストレスとなり、観葉植物が弱る原因になるので避けてください。
新しい鉢を用意するなら、今使っている鉢よりも1~2まわり大きなものを用意し、古い土は決して使わず必ず新しいものを用意しておきましょう。
ホームセンターなどでは肥料が入った観葉植物用の土が販売されていますので、利用すると便利ですよ。
・植え替え手順
古い鉢から観葉植物を抜き取るときは、必ず根元を持っておこないます。
鉢から出た観葉植物の根の周りについている土は3分の1程度手で払って落としましょう。
新しい鉢には、鉢底ネット・鉢底石・少量の土を入れ、観葉植物を入れて高さを調節しながら、根の周りにまんべんなく土が行き渡るように、残りの土を入れていきましょう。
この時、決して鉢の上部まで土を入れたりはせずに、必ず3センチ位の「ウォータースペース」を確保してください。
植え替えが終了したら十分に水やりをして終了です。植え替え後は株が弱っているので、2週間程度は肥料を与えず、水やりを控え目にし(葉水はこまめに与える)、直射日光の当たらない明るい日なたに置いて休ませてあげましょう。
観葉植物の日頃のお手入れは、毎日様子を見ながらおこないましょう。
肥料の与えすぎは「肥料やけ」の原因になったり、大きすぎる鉢への植え替えは必要以上の水分が与えられて「根腐れ」の原因になったりします。
観葉植物が元気に生長するために、日ごろの健康状態や生長具合をよく考慮して適切なお世話をしてくださいね。