トロッとしたなめらかな食感、クリーミーな味わいで人気のアボカド。
スーパーではお手頃な価格で販売されているため、日常的にサラダの具材、マリネ、お刺身などでアボカドを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?
私たちが何気なく捨てているアボカドの種ですが、実はその種を発芽させ、アボカドの木に育てることができるんです。
そこで今回は、アボカドの種を植えて観葉植物になるまでの育て方の流れを5ポイントに分けてご紹介したいと思います。
① 種を発芽させる
アボカドの原産地はメキシコなどの中央アメリカ。
日本よりも暖かい地域の植物なので、発芽しやすくするために冷蔵庫に入れず保存しておきましょう。
いざ食べる段階になったら、包丁を使って種を取り出していきます。
このとき、アボカドの種に多少の傷がついても大丈夫。
傷が気になるようであればスプーンを使ってくりぬきましょう。
取り出した種を使う栽培では、種に付いている実や油を軽く洗剤で洗い流し、その日のうちに使うことが重要。
種を放置したままにすると乾燥して発芽しなくなるので、水分を含んでいるうちに作業を始めましょう。
発芽の方法は「水耕栽培」または「土栽培」の2択。
それぞれの手順は次の通りです。
◆水耕栽培
1 小さな容器と爪楊枝を用意
1 種の尖っている方を上、平らな方を下にして爪楊枝を斜めに刺し込む
2 種が半分くらい水に浸るように容器に設置する
3 根や芽が出てきたら、早い内に鉢に植え替える
アボカドの種の発芽適正温度は約20度。
そのため、最低でも室温は15度以上に保つようにしてください。
設置場所は直射日光の当たらない日なた。暑すぎない、寒すぎない場所を目安に置いてあげましょう。
加えて容器に入っている水は腐らせないように毎日取り替えることが大切。
お世話をしていると最初は下から根が出て、次に芽が出てきますが、発芽はアボカドの種類によって長くて約1ヶ月半時間を要するものもあるため、気長に待つことが大切です。
◆鉢に植える
鉢での栽培は、堆肥や腐葉土を多めに含んだ酸性寄りの土を使いましょう。
水耕栽培と同様に、室内温度が低いと発芽しづらくなるため、適度に暖かい環境を保ってください。
1 種の尖っている方を上、平らな方を下にして土に埋める(上から種が少し見える位でも可)
2 土は常に湿気を含んだ状態を保つ(適度な水やりが必要)
鉢植えの発芽の目安は2~8週間。
鉢栽培も発芽するまで根気よく待ちましょう。
② 水やりと肥料やり
発芽後の水やりのタイミングは、土の表面が乾いたのを乾燥してから。
特に生長期のアボカドは多くの水分が必要になるので、よく土の乾燥具合を観察しておきましょう。
また、土と同時に「葉が元気かどうか」を見ておくことも大事。
葉が萎れて下を向いた場合も水やりが必要です。
ただし、冬の水やりは水の与えすぎによる根腐れに注意が必要です。
夏場よりも間隔をあけて水やりをおこないましょう。
肥料に関しては、栄養が必要とされる生長期や開花期に液体肥料を水やり時に与えるとよいでしょう。
③ 剪定
アボカド2号くん剪定
— 鈴華 (@Acheli_rinka) August 17, 2016
切った上のは水に浸けておくー
葉っぱ大きいのよ_(:3」∠)_ pic.twitter.com/7c23AixCwr
発芽までは時間のかかるアボカドですが、生育環境が良いとグングンと生長を続け、放置しておくと約10メートルにまで生長する場合もあるため剪定が必要です。
剪定の適期は4~6月。ポイントは上に向かって伸びる枝を切ること。
また病害虫の発生を防ぐため、風通しが良くなるように混み合う枝や葉の剪定も心がけましょう。
④ 病害虫と冬の栽培管理
育ててるアボカドに害虫がいましたhttps://t.co/LMN7lbQrlP pic.twitter.com/qKmAW1ylbZ
— ふよだ (@FuyodaK) August 3, 2019
アボカド栽培で気を付けるべき病害虫は、炭そ病とハダニやカイガラムシ。
これらは全て風通しのよい環境を作ることが対策となるので、前述の剪定作業を欠かさずおこないましょう。
炭そ病が発生すると、アボカドの葉に灰色または黒色の円形の紋が現れます。
放置しておくと生長に影響を及ぼすため注意が必要です。
また、病気にかかった葉を取り除いたときは、他の葉に病原菌が移らないようにすぐに処分することも忘れずに。
冬の栽培は温度管理が大切です。
外に出ている鉢は室内に入れて5℃以上の環境、控え目な水やりがポイントです。
⑤ 観葉植物として楽しむ
下の空き地でアボカド収穫している夫と友人。と、朝からずっと寝ているひと。 pic.twitter.com/DFbH9Rme0G
— Nao Nishimiya (@naonishimiya) October 28, 2019
せっかく種から育てたアボガドですので実の収穫までいきたいところですが、栽培場所や気温環境などが原因で収穫まで到達するのは少し難しいのが現状です。
というのは、アボガドを収穫するためには、暖かい環境・地植え・異なる品種を2本以上植える・人工受粉させるなどの条件が必要で、実がなるまでは数年を要するからです。
しかし実は獲れなくても、アボカドは十分に観葉植物としての活用が可能。
少しパキラに似ているアボカドの木を室内のインテリアとして役立ててはいかがでしょうか。
さいごに
普段食べている野菜の種から観葉植物を育てるのは、なかなかない体験ですよね。
アボカドの種からの栽培は日光・気温・水やりに注意すればそれほど難しいものではありません。
アボカド料理で捨てる種をガーデニングで活用してみましょう。