ラベンダーは香り豊かなハーブの一種。
濃い紫色が美しいイングリッシュラベンダーや、花穂にフリルが付いているフレンチラベンダーなど、種類によって花穂や香りの強さもさまざまです。
今回はラベンダーの栽培方法のコツを解説するので、庭にたっぷりと香りを漂わせましょう。
1.栽培環境
はじめに、ラベンダーの栽培環境についてお伝えします。
ラベンダーは高温多湿の環境を嫌うため、日当たりがよく、風通しのいい場所で育てることが上手に育てるコツです。
初めてラベンダーを育てる方は鉢植えにして、天候や季節によって置き場所を変えてあげると、比較的簡単に育てられます。
庭植えにして楽しみたい方は、高温多湿に強い種類を選ぶといいでしょう。
2.用土
用土は排水性と通気性がいいものを使います。
鉢植えで育てるときは、ラベンダー専用の培養土や、ハーブ専用の培養土がベスト。
草花用の培養土で排水性が不安な場合は、赤玉土を入れて混ぜ合わせると、排水性と通気性が改善します。
ラベンダーは弱アルカリ性の土壌を好むため、庭植えにするときは苦土石灰をまいて土壌を中和させておきましょう。
堆肥や腐葉土もすき込んでおくと、さらにラベンダーの生育がよくなります。
3.植え付け
鉢植えで育てるなら、一回り程度大きいサイズの鉢に植え付けることが大切です。
鉢が大き過ぎてしまうと水が乾きにくくなり、加湿気味になりやすいからです。
また、ラベンダーを植え付けるときは、土の表面よりも少し高く植え付けるのがコツ。
風通しや水はけのいい植え付け方ができるでしょう。
傾斜のある場所も、水はけがいいためおすすめです。
4.植え替え
植え替えに適した時期は、春の3月〜4月と秋の10月ごろです。
ただ、庭植えをしている方は、特に植え替えの必要はありません。
しかし、鉢植えは根が成長するスペースが限られているため、2年に1回は植え替えをしましょう。
また、根詰まりを起こしたラベンダーは、「新芽出てこない」「花数が少ない」「大きくならない」などの問題が発生します。
このような状況がみられた場合も、早めに植え替えをしてください。
基本的には一回り大きいサイズの鉢に植え替えをしますが、根を整理すれば同じ鉢を使うことも可能です。
根の整理の仕方については、固まった根をほぐして古い土を落とします。
次に、伸び過ぎた根を1/3くらいハサミで切り取りましょう。
これで根の整理は完了です。
根の整理をした場合は、だいたい1週間は日陰の風通しのいい場所で管理し、養生をさせます。
すぐに日光に当てるとラベンダーが弱り、そのまま枯れてしまうこともあるため、植え替え後の管理には特に注意しましょう。
5.肥料
肥料がなくても育ちますが、生育をよくしたいなら元肥と追肥を与えましょう
元肥は植え付け時に、緩効性化成肥料を用土に混ぜておきます。
追肥は春の2〜3月ごろの時期に行い、緩効性化成肥料を施してください。
肥料は与え過ぎると肥料焼けを引き起こすので、必ず規定の量を守って与えるようにしましょう。
6.水やり
ラベンダーは乾燥気味を好みます。鉢植えの土が乾いてから水やりをしましょう。
ただ、夏の暑さが厳しい時期は特に水切れがしやすいので、涼しい時間帯の朝か夕方を選び、極端に乾燥させないよう1日1回の水やりがおすすめです。
一方、冬場は水が乾きにくくなり、ラベンダーの生育もストップするので、あまり水を必要としません。
土の乾き具合を見ながら1週間〜10日に一度くらいを目安に、昼間のあたたかい時間帯に水やりをしてください。
庭植えは降雨だけで十分なので、特に水やりの必要はありません。
7.切り戻し・剪定
ラベンダーの苦手とする梅雨を乗り切るためには、切り戻しがとても重要です。
梅雨がくる前に、新芽が出ているところまで切り戻し、風通しがよくなるように透かし剪定を行うことで、枯れずに育てることができます。
込み入った枝も風通しが悪くなり、病害虫を引き起こしやすいので、適宜剪定をしましょう。
8.病害虫
ラベンダーは病害虫には強い方ですが、アブラムシ、ハダニなどの被害にあうこともあります。
アブラムシが大量に発生してしまったら、殺虫剤で対処しましょう。
ハダニは夏場の高温時に多く発生しますが、ラベンダーの全体に水をかけることで予防と対策ができます。
早めの対処が肝心なので、葉や茎の様子を日頃からチェックしておくようにしましょう。
まとめ
今回はラベンダー栽培方法のコツについてご紹介しました。
・日当たりと風通しのいい環境で育てる
・水はけのいい土作りをする
・土の表面より少し高めに植え付ける
・乾燥気味に水やりをする ・梅雨前に切り戻しと剪定をする
これらのコツを抑えれば、ラベンダーを上手に栽培することができます。
5月〜6月の開花期にたくさんの花を咲かせて、豊かな香りを楽しみましょう。
また、ラベンダーの香りには、リラックス効果や殺菌・防虫効果などが期待できます。
ぜひ収穫をして、ハーブティー、ドライフラワー、サシェなど、香りを存分に楽しんでみてはいかがでしょうか?