何気なくお庭の手入れをしている最中、チクッと手にトゲが当たって痛い思いをしたことはありませんか?
数ある雑草の中にはトゲを持ち、人にケガをさせてしまう可能性のあるものがいくつか存在します。
そこで今回は、遭遇する可能性の高いトゲのある雑草5つと、その対処法についてご紹介したいと思います。
アメリカオニアザミ
要注意外来生物のアメリカオニアザミは、葉に鋭いトゲを持っています。
多年草のため、そのまま放置しておくと、どんどんと繁殖が進むので見つけ次第早めの駆除が大切です。
アメリカオニアザミは大きくなると、約2メートルと人の背丈ほどに成長することも。
夏から初秋にかけて咲かせる薄い紫色の花、花後の綿毛が特徴ですので覚えておきましょう。
なお、日本に昔から存在するアザミもトゲを持つ植物ですので注意が必要です。
オニノゲシ
キク科ノゲシ属のオニノゲシは、草地に多く見られる1年草植物。
背丈は50センチから1メートルほどです。
温かい地域に育つものは季節を問わず、温暖でない地域では春から夏にかけてタンポポのような黄色い花を咲かせます。
また、花は後に綿毛へと変化します。トゲがあるのは葉の先。
葉の形も鋸型をしているため、遠目に見ても一瞬で「触ると痛そうな植物」と思わせる様相をしています。
ワルナスビ
ワルナスビは、春から秋にかけてナスの花に似た白い花を咲かせ、黄色い実をつける特徴があります。
背丈は大きくとも約50センチとそれほど高くならず、トゲの存在を知らないと、見た目の可愛らしい雰囲気に騙されて危険を察知するのは難しいかもしれません。
トゲのある場所は葉と茎の部分。
ワルナスビは繁殖力が旺盛で、除草剤が効きにくいというやっかいな植物です。
また実にはソラニンという毒が含まれています。
大人が口にすることはあまり考えられませんが、子供やペットなどがいる場合は食べないように気を配りましょう。
カナムグラ
アサ科カラハナソウ属のカナムグラは、ツル性の1年草植物。
日本全国に生息し、その多くは道端や荒れ地などで見られます。
トゲがあるのは茎または葉柄の部分で、トゲは下をむいている特徴があります。
花の咲く時期は8月から10月、秋花粉の原因になる花粉も飛ばすので、アレルギーを避けるためにも駆除は必須といえるでしょう。
カナムグラのツタはトゲがある上に頑強ですので、絶対に素手で取り除くのは避けましょう。
ママコノシリヌグイ
5月~10月に可憐なピンクの花を咲かせるママコノシリヌグイは、1年草でタデ科イヌタデ属の植物です。
日本全土または中国に分布し、「トゲソバ」という別名も。
赤紫色の茎や葉に下向きのトゲを持ち、そのトゲを利用して他の植物に絡みつき、長いもので2メートルほどに成長します。
多くは道端で見られますが、水辺や野原にも生息しています。
トゲのある植物の対処法
トゲのある植物には、手袋をしていてもトゲが貫通するほど頑強なトゲを持つものもいます。
そのため手にトゲが刺さったままになったり、血が出てしまったりすることも。
したがって厚手の革の手袋はもちろんのこと、長袖や長ズボンを履いて作業することが鉄則です。
また取り除いた後の植物を扱うためのトングも忘れずに。
ここではトゲのある植物を除去する方法を3つ見ていきましょう。
1 手を使わずスコップを利用する
背丈の低いもの、小さな植物の場合は手を使わずにスコップやシャベルを利用しましょう。
土にスコップを刺すときは、根本めがけて深く土中に刺さるように入れるのがポイント。
特に根の深い植物の場合は、シャベルではなくスコップを利用したほうが有効です。
取り除いた後の雑草はすぐに袋に入れず、乾燥させてから根についた土を払って取り除いておきましょう。
乾燥させたまま放置すると、繁殖の原因になりますので必ず処分するよう心がけてください。
2 熱湯をかける
トゲのある植物に熱湯をかけるのも、枯死させる方法の一つです。
ただしこの方法は地上に出ている部分には効き目がありますが、地中の根まで枯らすのは難しいとされています。
また広範囲に分布した植物に熱湯をかけるのは効率的ではないので、部分的に生えているトゲつき植物の表面上を取り除きたい場合にこの手法を使うとよいでしょう。
3 除草剤を利用する
家の横の壁際にかなりの雑草が生えていたので端からむしっていったら何かに刺さった💦よく見たら葉っぱの横に無数のトゲがあった💦Googleレンズで調べてたら西洋トゲアザミみたい💦触れないのでそこだけ除草剤をまいた😅まだ刺さったところが痛い😢 pic.twitter.com/yxrzQtKKfy
— こころもとない (@siawase2777) April 8, 2020
植物の根が深く、手作業で取り除けない場合は液体の除草剤を利用してみましょう。
希釈具合は商品によって異なるため、注意事項をきちんと読んで使用してください。
また、除草剤を散布した後にすぐ雨が降ってしまうと効果が薄れるので、良い天気が続くときに利用した方がよいでしょう。
加えて除去目当ての植物の周囲にある他の植物に悪影響を及ぼさないように配慮しましょう。
トゲのある雑草は危険をともなう上に、繁殖力が旺盛なものが多いのが特徴です。
庭の美しい景観を保つためにも、雑草除去は大切な作業。
今回ご紹介したような植物を見つけたら、決して素手で触ったりせず、周辺に広がってしまわないうちに早めに対処していきましょう。