近年普及してきたハイドロボールによる室内での水耕栽培。
園芸店やホームセンターなどで見かけるものの、まだチャレンジに至っていない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ハイドロボールを使ったハイドロカルチャーの注意点やメリット、デメリットなど6つのポイントにわけてご紹介しましょう。
●ハイドロカルチャーは土を使わない栽培方法
ハイドロカルチャーは、ハイドロ(水)+カルチャー(栽培)が組み合わさってできた和製英語。
土を使用しないかわりに、「ハイドロボール」と呼ばれる粘土を焼いたボール状の石を使います。
ハイドロボールにある多くの小さな穴は、水や空気を蓄えたり、植物の根を寒さから守ったりする役割を果たすため、土栽培と同じように植物が育てられます。
●ハイドロカルチャーのメリット
コンクリートのコンポートに入った観葉植物 880円(税込)
— コバヤシフラワーショップ (@kobafura) November 16, 2020
土を使わないハイドロカルチャー仕様なので食卓でも清潔に飾れます。 pic.twitter.com/i5vsUEcZwp
ハイドロカルチャーで植物を育てるメリットを見ていきましょう。
・持ち運びが便利
ハイドロボールの重量は土に比べて約3分の1なので、大きな鉢でも持ち運びに苦労することはありません。
部屋の模様替えにともなう鉢の移動、植え替えなども楽になるでしょう。
・清潔を保てる
「土の独特のニオイが苦手」という方もいらっしゃるかと思います。
ハイドロボールはニオイを発生させないので、無臭で室内栽培をしたい人におすすめです。
食卓の上に植物を飾りたいという人も、抵抗なく置けるでしょう。
また、ハイドロボールは製造の際に粘土を高温(約1200度)で焼いて作るので、十分に殺菌されて出来上がります。
よって土で植物を育てるよりは、はるかに虫の発生を抑えることが可能です。
・繰り返し使える
ハイドロボールは劣化しにくいため、水で洗浄すれば繰り返し使えます。
土栽培では植え替えのときに新しい土を用意して、古い土を処分しなければなりませんが、ハイドロカルチャーではこれらの手間が省けます。
・使える容器が増える
土で植物を育てる場合、基本的には鉢穴のある容器と受け皿が必要です。
しかしハイドロカルチャーなら、受け皿を用意する必要がないので、ガラス容器などのインテリア性の高い鉢の利用ができます。
またガラス容器を利用すれば、水の残量が目に見えるので管理が楽になるメリットも生まれます。
●ハイドロカルチャーのデメリット
アイビー植え替え
— 小林知未 (@tomomin5656) August 28, 2020
もうちょっと水耕栽培で試してみたくて、、
🍃大きい入れ物に
🍃根腐れ防止剤追加
🍃液体肥料追加
この子はずーっと枯れずにいるけど、伸びていく気配がないんだよなあ… pic.twitter.com/XzNxaPMB6c
ハイドロカルチャー栽培で失敗しないためにも、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
・土に比べて植物の成長が穏やか
ハイドロカルチャーでは土栽培にくらべ、植物の成長が緩やかになります。
植物をコンパクトに育てたい人には向いていますが、大きく育つ姿を楽しみたいなら土栽培が向いているでしょう。
・根腐れを起こす可能性がある
ハイドロカルチャーは水を与えすぎると、根が呼吸できなくなってしまうので、根腐れを起こすことがあります。
根腐れをおこした場合は、都度植物を取り出して傷んでいる部分をカットしてあげましょう。
あらかじめ根腐れ防止剤を入れておくと有効的です。
●ハイドロカルチャーの日常管理ポイント
「ハイドロカルチャーの水やりや肥料のタイミングは?」と疑問に思いますよね。
外から水の残量が見えるガラス容器などの場合、完全に水が無くなって約3日後に容器の約5分の1の水を与えましょう。
外から水の様子が見えない容器を利用しているなら、水位計の利用がおすすめです。
肥料は植物の成長期にあわせて、ハイドロカルチャー用の液体肥料を与えましょう。
液体肥料の量を間違えると、株の枯死につながりますので、十分な注意が必要です。
加えて基本的な置き場所は、風通しがよく日光が当たる場所がベスト。
直射日光は植物への負担が大きくなる、ハイドロボールに藻や苔が生える、水温が上がり根に負担がかかるなどのデメリットが発生するので避けましょう。
●ハイドロカルチャーに適した植物
ハイドロカルチャーなるものに挑戦してみたけどどうだろう。。
— ししみ。 (@jc3yiS) March 1, 2020
育つのかな?#多肉 #サボテン#ハイドロカルチャー pic.twitter.com/Yv7QTiHmA8
直射日光に適さないハイドロカルチャー。
ハイドロカルチャーに適した植物は、程よい日光量で育つ観葉植物や多肉植物です。
またハイドロボールは一つひとつの粒が大きいので、転倒防止のためにも幹が太くしっかりとしている観葉植物がよいでしょう。
具体的には、サボテン・ガジュマル・パキラ・テーブルヤシ・サンスベリアなどです。
●ハイドロカルチャー栽培を始める手順
ハイドロカルチャー的なのを植え替えして3ヶ月です。みんな順調に大きくなってる中、パキラの調子乗り方はやばくないんですかこれ pic.twitter.com/DBc4sc0pHV
— メイ (@maybelle_jp) May 21, 2020
ハイドロカルチャーを始めるにあたって、最低限必要なのは以下の4つです。
・植物
・底に穴の空いていない容器
・ハイドロボール
・根腐れ防止剤
土で育てていた植物をハイドロカルチャーに移行する場合、土から取り出した植物の根をしっかりと洗い流します。
またその際に、傷んだいる根や古い根はカットして取り除きましょう。
植え付けて順は次の通りです。
1 容器の底に根腐れ防止剤を敷く
2 植物の高さを考えながら、ハイドロボールを少しずつ入れる
3 植物をハイドロボールで固定し表面を整える
4 容器の5分の1位の水を与えて日陰に置く
●さいごに
ハイドロカルチャーに必要とされるハイドロボールや容器などは、すべて百均やホームセンターなどで手軽に購入できるものばかりです。
観葉植物や多肉植物を水耕栽培するなら、早速ハイドロカルチャーに挑戦してみませんか。