球根植物のチューリップやムスカリ、アネモネなど、春に咲く可愛い花が楽しみですよね。
けれども、球根植物は「球根の植えつけを忘れてしまった」や「球根から育てるのは難しい」といった悩みを抱えている方も多いはず。
そんな方におすすめなのが「芽出し球根」です。
こちらの記事では芽出し球根について、さまざまな情報をご紹介していきます。
1.芽出し球根の基本情報
芽出し球根とは、すでに芽や根が出ている状態の球根のことを言います。
本来、球根植物は冬の寒さに一定期間当たったあと、春を感じることで生長を始めます。
そのため、10月〜11月ごろには球根を植えておくのが理想です。
しかし、植え付けるのが遅くなると、寒さに当たる期間が短くなります。
この場合、球根植物の開花が遅くなったり、貧弱になったりと、いくつかの問題を引き起こしてしまうリスクがあるのです。
その点、芽出し球根は人工的に低温処理が施されているため、植えるのが遅くなっても問題なく生長します。
店頭では1月の中旬ごろから並び始めるので、芽出し球根が気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
2.芽出し球根のメリット
・低温処理の必要がない
・簡単に育てられる
・開花時期が早くなる
・花が長期間咲く
球根植物は冷蔵庫で1ヶ月以上冷やしたり、水に濡らして給水処理をさせたりと、綺麗な花を咲かせるには手間がかかります。
けれども、芽出し球根は球根から育てる必要がないので、面倒な低温処理や給水処理をしなくても、そのまま植えられるので簡単です。
また、芽出し球根は早く花が咲くメリットも。
寒い時期に咲いた花は花持ちがいいため、長く観賞できます。手間をかけて育てた花が長期間楽しめるなんて、うれしいですよね。
3.芽出し球根の種類
・チューリップ
・ムスカリ
・スイセン
・ヒヤシンス
・クロッカス
・フリージア
・アネモネ
・シラー など
今はさまざまな種類の芽出し球根が販売されているので、自分好みの花が選べます。
チューリップやムスカリは、他の草花と組み合わせて寄せ植えをするのもいいですね。
芽出し球根の花が咲くまでの間、寂しげな印象をカバーしてくれ、開花期にはより華やかな寄せ植えが期待できます。
ヒヤシンスやスイセンは、水耕栽培で室内を飾れば、花だけでなく香りも楽しめます。
もちろん、鉢植えを室内で栽培するのもOKですよ。
このように、芽出し球根は楽しみ方もいろいろ。ぜひたくさんの種類を育てて、花を咲かせてみましょう。
4.芽出し球根の植え付け方法
芽出し球根を植え付けるときは、根をいじらないことがポイントです。
球根は根を触られるのを嫌がるので、切ったり傷つけたりすることのないよう、大切に扱いましょう。
鉢植えにする場合は、少し大きめのサイズの鉢を用意します。
鉢底石を敷き入れたあと、培養土も入れて、根鉢の高さを調節しましょう。
ウォータースペースがあると水やりの際に土が流出しづらくなるので、指の第一関節くらいを目安にスペースを作り、芽出し球根を植えつけます。
5.芽出し球根の育て方
芽出し球根は日光が当たる場所で育てましょう。
種類によっては耐寒性が弱いものもあるので、霜や寒風に当たらないように注意して育ててください。
マルチングも効果的です。
冬場は水が乾きにくいので、水やりの頻度は控えめにします。
加湿気味になると、球根が腐ってしまうこともあるので注意しましょう。冬の水やりのタイミングは、土の表面が乾いてから2〜3日後に与えるのが基本ですが、環境条件によっても異なるので、あくまでも目安に。
芽出し球根の様子を見ながら、最適な水やり方法を探っていきましょう。
6.芽出し球根の水耕栽培
水耕栽培をする場合は、芽出し球根をポットから優しく引き抜き、水を張ったバケツの中で土を落とします。
このときも、なるべく根を傷つけたり切ったりしないように、気をつけてくださいね。
容器はガラス瓶やマグカップなど、好きなもので構いません。高さを調節したい場合は、水苔を敷き詰めるといいでしょう。
綺麗に洗った芽出し球根を、容器の中に入れて、水を張ります。
根の全てを水につけてしまうと呼吸ができなくなるので、根が8割程度かぶるくらいの水を張りましょう。
室内の窓際なら、日光がしっかり当たるので、生長が早くなります。
気温が低い置き場所なら花が長持ちするので、置き場所を変えて工夫するといいかもしれませんね。
水耕栽培の日常の管理ポイントは、水をこまめに取り替えて、清潔に保つこと。
容器に汚れが目立ってきたら、芽出し球根を取り出し、綺麗に掃除をしましょう。
熱湯消毒やアルコールで除菌するのも効果的です。
また、水耕栽培は基本的に1回限りです。翌年は育てられないことを前提に、水耕栽培を楽しんでくださいね。
まとめ
今回は芽出し球根についてお伝えしました。
芽出し球根はガーデニング初心者でも、簡単に育てられる植物です。
鉢植えや寄せ植え、水耕栽培で生長過程を眺めながら、花が咲くのを楽しみに待ってみてはいかがでしょうか?