夏になり気温が上昇すると、人間ばかりでなく植物たちにも大きなストレスがかかります。
美しい庭を保ちながら、植物を元気に育てるためにも、季節ごとに見合ったお手入れが必要です。
そこで今回は、気温の高い夏のお庭の手入れで、気をつけておきたいポイントを7つに絞ってご紹介したいと思います。
◆水やりは時間帯に注意
植物への水やりの基本は「土の表面が乾燥してからしっかり与える」ですが、気温の高い夏場は土が乾燥しやすいため、多くの水分が必要になります。
夏場の水やりのポイントは「気温の低い朝または夕方以降の時間帯」に与えること。
日中の気温の高い時間帯に植物に水を与えると、土の中の温度が上昇し、根腐れや徒長を起こす原因になります。
また日照りが続いた場合は、降雨だけで育つような樹木にも、根元までしっかりと水が行き渡るような水やりが必要です。
水分は植物の生命線ですので、しっかりと様子を見ながら与えることが大切です。
◆樹木の剪定は種類を選んで
夏の時期におこなう夏季剪定の基本は「軽剪定」が基本です。
夏季剪定には次のようなメリットがあります。
・通気性が良くなることで病害虫を予防できる
・混み合った枝を剪定すると、下の葉に日光が当たるようになる
・見通しがよくなるので病害虫を発見しやすい
ただし剪定の適期は樹木によって異なるため注意が必要です。
・常緑広葉樹(サツキ・サザンカ・キンモクセイなど)………夏季は軽剪定
・落葉広葉樹(ハナミズキ・アオハダ・ヤマボウシなど)………夏季剪定は避けた方が良い
・常緑針葉樹(スギ・マツ・コニファー類など)………夏季は軽剪定
いずれの種類も夏の季節の強剪定は禁物。庭にある樹木の種類を事前に確認して、見合った剪定を施しましょう。
◆暑さ対策にはマルチングを
あぐりっこさんのサイトで、オクラは水が好きなんだなーとか、夏越しのマルチングは保水効果があるんだなーと思いながら見ていたら、プランター栽培の… https://t.co/1Ldc2ymRHp #cropnet pic.twitter.com/Vo4AIREGFj
— グッドジョブ (@Zakuzakyee) August 4, 2019
マルチングは浅く根の張る植物、根が繊細な作りの植物に特に有効です。
夏にマルチングをするメリットは次の通りです。
・雑草を抑制する
・急激な土の温度の上昇を防ぐ
・土の乾燥を抑える
・害虫の防止
・土の跳ね返りによる病気の防止
・豪雨による土の流出を防ぐ
・バークなどを利用すると美しい景観が保たれる
マルチングに利用される素材には、バーク・腐葉土・ワラ・シルバーマルチなど。
畑などでよく利用される黒マルチは、土の温度が上がるため夏場の利用は避けましょう。
◆芝生は水やりと施肥が必要
花や樹木と同様に、夏は芝生も成長が盛んになり水分が必要になる季節。
芝は水分が不足すると縮れ、枯れてしまいます。
夏場の芝生への水やりは気温の上昇する日中を避け、気温の低い朝または夕方におこないましょう。
水やり方法のポイントは、芝生の表面に水をかけるのではなく、地中の根に水分が届くようにしっかりあたえること。
特に植えたばかりの芝生の場合は、通常の水やり以上の水分量が必要です。
また夏場は芝の刈り込みにも注意ポイントがあります。
・雑草は根の若いうちに摘み取る
・芝を低く刈り込まない
夏に芝を刈り込み過ぎると、芝自体の体力が落ちたり、地面に日光が当たることで雑草が生えやすくなったりします。
芝の体力を保ちつつ夏越しさせるためには、草の高さが約3~4センチをキープできる程度に留め、様子を見ながら定期的な施肥を施すことが大切です。
◆病害虫チェック
夏場は植物の体力が落ちているため、病害虫をそのままにしておくと被害が大きくなってしまいます。
軽剪定を済ませて病害虫の発見をしやすい環境作りを心がけ、発見した場合はすばやく対処しましょう。
特に乾燥しやすい梅雨が終了した後は、ハダニの発生に注意が必要です。
◆ベランダでのガーデニングは日差しに注意
ベランダのようなコンクリートの多い環境でのガーデニングでは、強い日差しは禁物です。
夏は土よりもコンクリートの方が日光の照り返しが強く、強い日差しに弱い植物は枯れてしまいます。
夏場の日差し対策には次のような方法があります。
・簾やよしず・遮光ネットなどを利用する
・コンクリートの上に直接鉢やプランターを置かない
・プランター台などを利用して風通しをよくする
・ツル性植物を育てて日光量を減らす
◆台風に備える
台風に備えて、避難させていた花達を元に戻します。
— こころんグリーン (@kokoron555) August 15, 2018
熊本は殆ど被害は有りませんでした。#園芸 #ガーデニング #台風 pic.twitter.com/R1UCPBEN3s
気温の上昇に加えて夏から秋にかけては台風が多く発生する季節に入ります。
高さのある植物や茎の細い植物などには、支柱を立てて補強しておきましょう。
台風の上陸が迫ってきたら、移動が可能な鉢やプランターは室内に取り込むか、軒下などの風が当たらない場所に移動させてください。
室内に移動できないベランダなどで育てている背丈の高い植物の場合は、葉と茎をまとめて縛り鉢を横にしておきましょう。
また外に出しっぱなしにしているガーデニンググッズも凶器になりえるので、すみやかにしまっておきましょう。
さいごに
植物たちを元気に夏越しさせるためには、今回ご紹介したようないくつかのポイントをおさえつつ、お世話する必要があります。
暑い盛りのガーデニングは大変なこともありますが、気持ちよく秋を迎えるためにも頑張って夏を乗り越えていきましょう。