冬の代表花! 椿を庭に植えるときの育て方ポイント8つ

お正月飾りや成人式の髪飾りなどで目にする椿。


赤や白の花色は年末年始の明るくおめでたい雰囲気を盛り上げてくれますよね。


花の少ない冬の時期に開花期を迎える椿は、寂しくなりがちな庭に彩りを添える貴重な植物。


そこで今回は、お庭に椿を植えるときの育て方のポイントを8つに分けてご紹介します。

●椿を庭に植えるなら広い場所に

椿の原産地は中国・台湾・本州といわれ、ツバキ属には約250種類もの品種が存在するといわれています。


種類にもよりますがヤブツバキを植えた場合、樹高は5~6mにも成長します。


そのため地植えにするなら、左右上下にスペースが十分確保できる場所を選んで植えましょう。


加えて西日が直接あたらず、北風にさらされない場所がベスト。


かつ耐陰性も持ち合わせているので、半日陰で成長できるような場所が適しています。

●元気な苗木を購入しよう

椿は種からも育てられますが、庭木にするなら苗木の購入がおすすめです。


苗木を選ぶときのポイントは次のとおりです。


・葉が元気で色艶がよい
・ラベル表記(品種や育て方など)がついている
・挿し木苗より接ぎ木苗を選択


椿の苗木で接ぎ木のほうが良い理由は、株が丈夫で花付き、成長が良いからです。


また庭木にする苗木は小さなものよりも、樹齢が約7年以上経過した大苗が適しています。

●植え付けは苗木の根を崩さずに

椿の植え付け適期は2期間。9月中旬から10月中旬、3月中旬から4月です。


好む土壌酸度は弱酸性。


土の中にある小石や粘土質の土は取り除き、元肥として緩効性肥料または有機質肥料を施しておきましょう。


植え付けの簡単な流れを見ていきましょう。


1 鉢から取り出したら根鉢は崩さない

2 根鉢が麻ひもで巻かれている場合は外さない

3 地面にほる穴の大きさは幅・深さともに根鉢の2倍程度

4 苗木の土壌上部が地面から少しでるくらいに設置

5 半分土を埋めた時点で十分な水を与え、残りの土を投入

6 株の周りに水鉢(堤防)をつくり再び水やりをする


なお植え付け後は風による苗木の転倒を防ぐために、支柱を施しておきましょう。

●水やりは土が乾燥したらたっぷり与える

苗木を地植えして2年以上経過していない場合は、地表の土が白くなって乾燥してきたら十分な水やりをおこなってください。


植え付けから2年以上経過した椿には、過度な水やりは必要ありません。


頻繁に水を与えすぎると成長に影響を及ぼしたり、根腐れの原因になったりするので注意しましょう。

●椿の剪定適期は3月から4月

椿の花芽が新梢に形成されるのは6月ころ。


そのため剪定適期は花が先終わった後と、新芽が出てくる前の時期にあたる3月から5月にかけておこないます。


椿の剪定は交差枝(他の枝と混み合っている枝)・立枝(主幹に向かって伸びている枝)などを切り落とす「透かし剪定」が基本です。


また木の形を整えるための太い枝や多くの枝を切る「強剪定」は数年に1回のペースでしかおこないません。

●肥料は年に2回与える

椿に与える肥料やりは年に2回、以下のタイミングでおこないましょう。


・3月から4月(花が先終わったのち)

・9月から10月(夏の暑さが落ち着いた後)


与える肥料は化成肥料や有機肥料など。


種類に応じて適量を与えましょう。


肥料やけを避けるためにも、肥料の置き場所は毎回変えるようにしてください。

●病害虫は特に「チャドクガ」に注意

椿がかかりやすい病気には「もち病」「花腐菌核病」などがあります。


もち病を見極めるポイントは枝の先についている葉が白くなったとき。


発見したらすぐに枝を剪定して処分してください。


また花腐菌核病は「ツバキキンカクチャワンタケ」という菌が原因となる病気です。


発病したら椿の蕾や花が茶色く変化するので、見つけ次第下に落下している花も含めすぐに取り除きましょう。


害虫で一番注意したいのは「チャドクガ」です。


チャドクガは温暖な地域に存在する毒蛾で、椿の葉を食害します。


毒針毛を持つため、たとえ抜け殻であっても人が触れると痛みやかゆみを感じたり、皮膚がかぶれてしまったりする要注意な害虫です。


こちらも見つけ次第すぐに捕殺しましょう。

●椿と山茶花(さざんか)との違い

サザンカは椿と同じツバキ科に属し、見た目もよく似ていることから、プロでもひと目で見分けるのが難しい植物です。


中国においては「山茶花」と表記されたものは椿の花を意味し、「茶梅」と表記されたものが椿を意味します。


ここでは椿と山茶花の決定的な違いを見ていきましょう。


・花が散るときに首から落ちるのが椿、花びらから落ちるのが山茶花

・椿は花が立体的、山茶花は比較的平面的

・葉のギザギザ(鋸歯)が浅いのが椿、浅いのが山茶花

・山茶花の開花時期(10月から12月)のほうが椿に比べ早く短い

さいごに

椿は新しい年の始まりを感じられる植物です。


庭に植えることで冬でも鮮やかな花色を楽しめると同時に、ヒヨドリやメジロなどの野鳥がやってくる姿を見られるかもしれません。


ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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