洋風和風を問わず、どのようなテイストの庭にもマッチする低木をお探しではないでしょうか。
今回ご紹介するハクロニシキは、イヌコリヤナギの園芸品種です。
春から夏にかけて変化する葉の色や、枝全体が風を受けてそよぐさまは、美しい庭づくりに一役買うことでしょう。
そこで今回は、ハクロニシキの特徴や育て方、注意すべき病害虫などのポイントを7つに分けてご紹介したいと思います。
●ハクロニシキの特徴
Salix integra 'Hakuro-Nishiki' .
— f.sylvatica🌼🌺🪴🍀 (@Purupurea_u) July 31, 2020
common name : dappled willow , flamingo dwarf willow.
ハクロニシキ(白露錦) pic.twitter.com/vKekZ6pI2F
イヌコリヤナギの園芸品種「ハクロニシキ」は、時期によって移り変わる新芽の葉の色が魅力。
ハクロニシキは漢字では「白露錦」と表記し、「五色柳」の別名があります。
最近では日本でも庭木として認識が広まりつつありますが、ヨーロッパ地方では以前からとても人気のある樹木です。
春先から夏にかけて変化する葉の色はピンク色に始まり、次第に白色、緑がかった白色、最終的には白い斑入りの緑色へと変化し、庭に彩りを添えてくれます。
秋になると葉は黄色くなり、落葉したのち冬を迎えます。
樹高は最大で3メートルになるため、シンボルツリーやサブツリーとしての役割を果たす以外にも、寄植えや生け垣などでも活用できます。
●ハクロニシキの好む環境
ハクロニシキは樹勢が強く、育てやすい植物です。
日当たりのよい場所はもちろん、半日陰でも十分に育ちます。
ただし春先にあまりにも日光が強く当たると、葉が焼けて白い斑が痛む場合もあるため、地植えにするなら程よく日光の当たる場所がよいでしょう。
また一度植えると、移植は困難またはできないので、場所選びは十分に考慮してください。
ある程度乾燥にも耐えるハクロニシキですが、湿り気のある土壌を好みます。
植え付けのさいに土が乾燥しているようであれば、腐葉土を混ぜ込んでから植えましょう。
ハクロニシキは寒さに強いことも特徴です。北海道のような寒冷地で庭植えにしても、問題なく越冬が可能です。
●ハクロニシキの栽培管理
ハクロニシキも植えたった。あまり水やりも出来ないだろうから日光で強く育ってほしい…
— 高月灯 (@flymeto_) April 26, 2021
今鏡見たら顔泥だらけやった笑 pic.twitter.com/klnKvxA0Do
次に、ハクロニシキの日頃のお世話の方法について見ていきましょう。
・水やり
地植え栽培での水やりは降雨のみで十分です。
ただし乾燥が続くようであれば、水分を与えましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら水を与えてください。
長期にわたって乾燥させないように気を配りましょう。
・肥料
株が元気であれば、特別肥料を与える必要はありません。
肥料が必要と感じた際の、内容とスケジュールは次のとおりです。
2月頃………堆肥と腐葉土を株の周りに混ぜ込んでおく
9月または10月………根回りに化成肥料を施す
●ハクロニシキの剪定
白露錦はめちゃくちゃ強い。葉がすべて無くなるほどの強剪定をしたが、3週間ほど経過したら芽が出てきた。#白露錦 #ハクロニシキ pic.twitter.com/7P5Fg9F66w
— G.BOY (@gunmaboyy) October 15, 2020
ハクロニシキは成長がはやい植物です。
春から秋にかけての成長期には、想像以上のスピードで株にボリュームが出るので「すぐに剪定をして形を整えたい」と感じることもあるでしょう。
生育旺盛なハクロニシキは、どの時期に剪定をおこなっても、株が枯れる心配はほぼありません。
ただし葉色を楽しむなら、剪定は「落葉期」におこなうのが鉄則です。
12月または1月の寒い時期、寒冷地ならば3月におこないましょう。
落葉期の基本的な選定は、しっかりと刈り込みをして形を整え、春に新芽が出るように促すこと。
初夏以降の剪定は、徒長枝の切り戻しや、全体の形を整える軽剪定で済ませましょう。
あまりに成長がはやいハクロニシキの場合、古くなった株の更新と根切りが必要です。
これらの作業によって、成長速度の制限をしたり、株をコンパクトに仕立てたりすることができます。
また斑が入らず、葉全体が緑色になる「先祖返り」をしている枝があれば、躊躇なく枝を切り落としておきましょう。
●ハクロニシキの仕立ては自由自在
朝方の雨で気温も下がりました⤵️ハクロニシキの白い新葉が出てきました🎶わかりますか〜(^-^) pic.twitter.com/nUjiFmpJVd
— 羽衣 (@Rose_venus0311) April 22, 2017
ハクロニシキの仕立ては昔から「鉢植えでスタンダード仕立て」が定番でした。
現在では地植えにして自然樹形のまま株立ち状で楽しむ人も増えています。
剪定は専門業者に頼まなくても自分で行なえるので、トピアリー(造形物)など自分好みの形に整えて楽しむこともできます。
●ハクロニシキの増やし方
挿し芽から約2ヶ月の、ハクロニシキの様子。ハクロニシキの挿し芽は
— Michitake Matsui (@takamine1101) September 15, 2018
、メルカリで販売しています。
植えられた方はご存知のとおり、イヌコリヤナギは生育旺盛で、大量の剪定枝が出ますから、自分用、プレゼント用、フリマ用など、いろいろな使い道があります。 pic.twitter.com/WU5FLCNYqc
ハクロニシキを増やすなら「挿し木」をしましょう。
挿し木の方法は、枝の先端を切り取り(10~15センチほど)挿し木専用の用土に植えて育てます。
このとき枝についている不要な葉は取り除き、最初は日陰で水を切らさずに管理していきましょう。
●ハクロニシキがかかりやすい病害虫
ハクロニシキは病害虫に強い植物ですので、心配の必要はほぼありません。
まれにアブラムシやヤナギルリハムシの食害が発生することがあります。
ヤナギルリハムシは、体長4mmほどの黒緑色をしたハムシ科の虫。
日本全土に分布し、成虫は越冬も可能です。
見つけ次第、手で捕まえて捕殺するか、多く発生した場合は殺虫剤の利用が効果的です。
●さいごに
ハクロニシキは水やり、肥料、病害虫などさまざまな面で手間のかからない植物のため、ガーデニング初心者におすすめできる庭木です。
剪定も好みの形にしやすいので、洋風の庭のみならず、和風の庭にもマッチするでしょう。
ハクロニシキの葉の色や樹の形は、軽やかで明るい雰囲気の庭づくりに最適です。
植栽の選択で迷ったときは、ハクロニシキを選択肢の一つとして考えてみませんか。