シェードガーデンで活躍するヤブランについて、「育て方がわからない」という人も多いはず。
そこで今回は、シェードガーデンの育て方を環境や水やりの仕方、肥料など、5つのポイントごとに紹介します。
ヤブランの種類や増やし方も解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.ヤブランの基本情報
ヤブランは、キジカクシ科ヤブラン属に分類される常緑性多年草で、別名「リリオペ」とも呼ばれており、日本のさまざまな場所で自生しています。
耐陰性があることから、日陰の植栽や庭木の下草に好んで植えられ、和風の庭や洋風の庭でも大人気。
花は8月〜10月頃が開花期で、葉の間から紫色の長い花穂が顔を出します。
花が終わるとやがて緑の実をつけ、次第に藍色へと変化。
カラーリーフとして植えるのはもちろん、花や実など、一年を通して花壇や庭で活躍してくれます。
2.ヤブランの花言葉
ヤブランの花言葉には、「忍耐」「隠された心」「謙虚」があります。
さまざまな環境下でもしっかりと育つことや、葉の間にひっそりと花をのぞかせる姿など、耐え忍ぶようなヤブランの姿から、このような花言葉がつけられたのだそう。
3.ヤブランの種類
ヤブランの種類は葉に白い斑が入る「斑入りヤブラン」のほか、草丈が低い「ヒメヤブラン」、白花の「シロバナヤブラン」、「コヤブラン」「ライラック・ビューティー」など、いくつかの種類があることで知られています。
なかでも斑入りヤブランは、シェードガーデンを爽やかな雰囲気にしてくれるカラーリーフとして人気。
また、白花が咲く種類も可憐な印象を与えるため、洋風な庭などで役立っています。
いずれの種類も庭や花壇の雰囲気に合わせて選ぶのがおすすめ。
4.ヤブランの育て方〜5つのコツ〜
では、ヤブランの育て方について、5つのポイントを見ていきましょう。
4-1.環境
ヤブランは性質が丈夫なため、日向から日陰までさまざまな環境に適応します。
花付きや葉数などを多くしたい人は、日向で育てるのがおすすめ。
ただし、強い直射日光に当たると葉焼けを引き起こすることがあるので、夏の日差しを遮れる場所に植えるといいでしょう。
4-2.水やり
地植えの場合は降雨だけで十分に育ちますが、植え付け後1ヶ月くらいは土の表面が乾いたタイミングで水やりをしてください。
鉢植え栽培では、土の表面が乾いたら水やりをします。
乾燥には強いものの、極端に乾燥させてしまうと水切れを起こすことも。
特に夏場は水が乾きやすいので、降雨のない日が続くような場合は水やりをし、土を湿らせておく必要があります。朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをすることも忘れずに。
4-3.肥料
ヤブランは肥料をあまり必要としないので、地植え栽培では与えなくてもOK。
しかし、花数や葉の色艶が悪くなってきたときは、肥料切れを起こしています。
このような症状が見られたら緩効性化成肥料か有機肥料を与えるといいでしょう。
鉢植えの場合は水やりと同時に栄養が流れ出てしまうので、3月頃と10月頃に1年2回のペースで肥料を与えるのがおすすめです。
4-4.植え付け
植え付け用土は、水はけのいい土づくりを心がけます。
庭や花壇に植える場合は、赤玉土や腐葉土、堆肥などをすき込みます。
鉢植え栽培では市販の培養土のほか、赤玉土と腐葉土を7対3の割合で混ぜ合わせた基本土を使用してください。
ヤブランの植え付けはオールシーズン可能ですが、暑さと寒さが厳しい時期は避ける方がいいでしょう。
深植えにしないように注意して植え穴を掘って植え付けます。
鉢植えは鉢底に鉢底石を敷き入れ、ヤブランの苗の高さを用土で調節しながら植え付けてください。
4-5.手入れ
新芽が伸びだす春の季節に切り戻しを行います。
放任でも育ちますが、古い葉が混じると見た目が損なわれてしまうので、鑑賞価値を高めるためにも切り戻しを行うのがおすすめです。
切り戻しの仕方は剪定バサミを使い、ヤブランの株元ギリギリまで葉をカットしていきましょう。
同時に古い葉を取り除いていくと、全体がスッキリとした新しい株になります。
5.ヤブランの増やし方
「ヤブランをもっと増やしたい」という人は、株分けでの増やし方がおすすめです。
春か秋の気温が穏やかな時期にヤブランを掘り上げ、株元を2芽か3芽程度に分けていきます。
このとき、手で分けることが難しい場合は、ハサミを使って切り分けると簡単です。
6.まとめ
ヤブランの育て方のほか、種類や花言葉、増やし方について解説しました。
ヤブランは洋風・和風と、さまざまなテイストの庭に馴染む多年草です。
斑入りの種類なら清涼感をプラス。
花が咲く時期は華やかさも演出できる優秀なカラーリーフです。
ぜひ自宅の庭や花壇、シェードガーデンにヤブランを植えてみてはいかがでしょうか。