スベリヒユという雑草をご存知でしょうか?
スベリヒユは黄色い花を咲かせ、肉厚な茎と葉を持つ日本中に生息している一年草植物です。
地面を這うように成長し繁殖力が高いため、その多くは雑草として駆除されますが、実は栄養価の高い食べることができる雑草です。
そこで今回はスベリヒユの特徴や育て方を7ポイントに絞ってご紹介します。
●ボーチュラカとの違い
スベリヒユによく似た品種に「ポーチュラカ」という植物があります。
ポーチュラカはスベリヒユの子孫といわれ、「ハナスベリヒユ」という別名があります。
黄色の花を咲かせるスベリヒユに対し、ポーチュラカは赤・白・オレンジ・ピンク・複色と花色が豊富。
種から育てるのが難しいため、挿し木で増やしたものが市場に出回っています。
ポーチュラカは多肉な葉や茎の見た目がよく似ているため、花を咲かせない限りスベリヒユと勘違いされがち。
両者を見分けるポイントは、ポーチュラカは花期が長い点、スベリヒユの黄色い花は天気の良い午前中にしか咲かない点とされています。
●スベリヒユの好む環境と発芽まで
ごめんな小松菜。左2列、びっしりスベリヒユが発芽した。見て判るほど生育遅れしてる。葉っぱ物は挽回しない。 pic.twitter.com/lLE7g2IQ7r
— おはら野国‐大統領はハナ (@owaranoT) April 23, 2013
スベリヒユは日光の当たる場所を好む植物です。
適する土壌酸度は6.0~6.5pHですが、強靭な繁殖力を持ちやせ地でも増えるたくましさがあるので、それほど土質を気にする必要はないでしょう。
発芽適温は15~22度。
種を持っているなら20度以上の温かい季節になってから植えましょう。
スベリヒユは挿し木でも十分に成長します。
挿し木をするときはスベリヒユの先端を5~15センチほど確保し、そのまま土に植えます。
地面を這うように横に広がる特徴があるので、株間を20センチほど確保してください。
発芽やある程度成長するまでは、土が乾燥しないように水やりを欠かさないのがポイントです。
●スベリヒユの日常管理
朝の涼しい時間に、育てている子たちに、水やりするのが日課になりました
— RENN-KA💫CLOURFUL LIFE DESIGNER👼 (@rennkaclub) August 10, 2020
小さな葉っぱに、小さな水滴
輝いて見えるのは、夏だからかなぁ
爽やかに光る緑の朝#スベリヒユ #モーニングルーティン pic.twitter.com/yxNYoajN69
発芽後のスベリヒユの管理ポイントは次のとおりです。
・プランターや鉢での栽培
土の表面が完全に乾燥したのを確認してから十分な水を与えましょう。
花後には液体肥料を1ヶ月に1回程度与えます。
・地植えの場合
特に水や肥料を与える必要はありません。
プランターにしろ、地植えにしろ、スベリヒユは過度にお世話をする必要は全くありません。
また病害虫にかかる心配もないので、大きく成長するまでほぼ手間をかけることなく栽培できますよ。
●スベリヒユの花
スベリヒユの黄色い花を見られるのは、およそ7月から9月です。
ポーチュラカの花とは違い、花が開くの時間帯は日光が当たる午前中。
そのため天気の悪い日などは花を咲かせることはありません。
花の中央部にある果実が熟すと、中から黒い種が採取できますので、翌年に種から育てる場合は確保しておくとよいでしょう。
●スベリヒユの収穫
収穫適期は種を植えてから長くとも約1ヶ月半後。
栽培の手間がかからないことに加え、植え付けから短期間で収穫できるのもスベリヒユの魅力です。
何度も収穫するなら、根から取らずに茎の途中でカットしておきましょう。
スベリヒユは根を残すことによって、カットした場所から再び成長を続けます。
また、花の咲いたスベリヒユはかたくなりがちですので、花が咲く前のものを収穫すれば柔らかな食感を楽しめます。
●スベリヒユの調理
食用でスベリヒユを活用するなら、汚れを水で落とした後、熱湯でさっと茹でてからの調理がおすすめです。
スベリヒユの茎の部分は酸味が多く、生で食べられないこともありませんが、熱を通した方が美味しくいただけるでしょう。
なお茹で時間が長くなると、スベリヒユがドロドロになるので注意が必要です。
茎の下の部分はかたくなりがちですので、様子を見ながら茹で時間を調節してください。
茹でた後のスベリヒユは、サラダ・炒めもの・味噌和え・ポン酢和えなどさまざまな調理で活用できます。
お気に入りの一品を見つけてみましょう。
●スベリヒユが増えすぎてしまったら
食用のスベリヒユを地植えで育てた場合、その生命力の強さから増えすぎて困ってしまう場合があるでしょう。
除草剤で駆除も可能ですが、食用であれば薬を使いたくないという人も多いかと思います。
スベリヒユは日光が当たらないと成長できない植物なので、狭い範囲であれば手作業で引き抜きましょう。
また広範囲であれば土ごと掘り返す草削りで対処しましょう。
草削りとは土を掘って雑草を根から除去する方法。
市場では草削り用のいろいろなグッズが売られています。
柄の長いタイプや軽量タイプ、帆掛型や櫛形、三角鎌などがあります。
自分にあった道具を活用しながらスベリヒユの栽培量を調節してみてください。
さいごに
今回は食用にするスベリヒユの育て方ポイントについてご紹介しました。
道端に生えているスベリヒユももちろん食べられますが、場所によっては排気ガスやホコリが多いなど、不衛生な場所に生息しているもの存在します。
スベリヒユを食用にするなら、衛生面に気をつけて収穫してくださいね。