大きな木の下や高い建物の陰になる場所。
そんな日光の当たらないガーデニングスペースの活用を諦めてはいませんか?
植物を育てるには日の光が大切な要素ですが、今回ご紹介する5つの植物のような耐陰性の高い植物を植えれば、日の当たりを心配する必要はありません。
シェードガーデンを活用したいなら、ぜひ参考にして下さいね。
フッキソウ
フッキソウは、日本全国で見ることができる常緑性の小低木。
自然界の中では山地や丘陵地など高度が高めの林内で群生しています。
耐陰性に優れているのと同時に、耐暑性、耐寒性も高いのが特徴。
草丈は20㎝前後と大きく生長することがないので、庭に植えるならカバープランツとしての活用が可能です。
葉の形は卵型の楕円形で、先端にかけて縁が大きめの鋸葉(ギザギザ)が入り、厚みと光沢のある様相が美しい植物です。
葉が一面緑色をした品種以外にも白い班が入った品種もあるので、庭の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。
本来好むのは湿気のある土と半日陰。
日光が直接当たると「葉やけ」を起こすことがあるので注意しましょう。
一番のポイントは手間がかからないこと。
病害虫の心配やほとんど水やりの必要もなく、放置しておいても十分に生長を続けます。
生長過程では、横に広がって伸びる習性があるので、気になるようであれば刈り取って形を整えてください。
ジャノヒゲ
ジャノヒゲ(蛇の髭)の別名「リュウノヒゲ」、「タマリュウ」なら耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
東南アジアを原産国とするジャノヒゲは、日本全国の林などで見ることができる常緑性の多年草。
品種にもよりますが、葉の幅は数㎜から1㎝前後で、草丈は10~40㎝と細長く、地面から放射線状に沢山の葉を出します。
株がよく繁ることから、グランドカバーの定番とも言われています。色が濃い緑色をしていることや安定している花姿から、造園などの和風のテイストで活用されることが多く見られる一方で、班入りの品種は寄せ植えや花壇などの洋風テイストで使われることも。
夏になると花茎が伸びて白または薄い白紫色の小さくて可愛らしい花を咲かせ、秋になると綺麗なコバルトブルーの実をつけます。
日光の当たる場所でも育てることはできますが、湿気を好むので必ず水を与えるようにしましょう。
花や実をつけるジャノヒゲは、季節の移ろいを感じられると同時に、常緑生で冬でも緑を楽しめるとても優秀な植物です。
ヤツデ
お金やお客さんを呼び込む縁起木として有名なヤツデ。
天狗が手に持っている葉としても知られ、魔除けの効果もあると言われています。
常緑生の低木で耐寒性に弱い性質を持っていることから、日本では福島県以南から沖縄にかけて分布しています。
生長すると2~3mの高さになり、葉の大きさは30~40㎝ほどの幅になります。ある程度の高さまで伸びるので、グランドカバーではなく室外機など景観を損ねるモノを隠したいときに利用すると便利でしょう。
開花時期は11~12月。
庭に花が少なくなる時期に白くて丸い花を咲かせた後、翌年の春になると黒い実をつけます。
降雨だけで育ち、剪定も基本的には必要ありません。
ただし、株が混み合ってきたと感じたら、古い枝は切ってしまいましょう。
ヤツデは樹勢が強いので、バッサリ切っても心配の必要はありません。
葉が黄色くなってきたら油かすなどの肥料や寒肥を施してあげてくださいね。
シュウカイドウ
ベゴニアの仲間のシュウカイドウは半日陰で落葉樹の下などの湿った場所を好みます。
寒さにも強いので日本の各地で越冬することが可能。
開花時期は7~10月にかけて。
「裏紅シュウカイドウ」や「白花シュウカイドウ」などの品種があり、白やピンクの可憐な花を咲かせます。
花姿が和風テイストのため日本庭園で見る機会が多いかもしれません。
地植えなら基本的に水やりの必要はありませんが、湿り気のある場所を好むので、乾燥しやすい場所では定期的な水やりが必要です。
増やし方はムカゴか種。
花が咲き終わったらムカゴができますので、採取して土に埋めて春になったら水やりをすると発芽します。
また種は、「花がら摘み」をせずに熟すまで待ってから採種しましょう。
シュウカイドウが上手に育たない場合は、環境が合っていない証拠ですので、植え替えをしてあげましょう。
ヤブラン
ヤブランは多年草常緑生植物。
環境の適応能力が高く、日陰でも強いのはもちろん、日なたでも元気に育ち、寒さ暑さにも対応、土質もほとんど選びません。
丈夫な性質から昔から植栽材料とて重宝され続けている植物です。
草丈は高くても40㎝位。細く伸びる葉と8~10月にかけて咲く白や藤色の花が魅力です。
病害虫の心配や水やり、追肥の必要はありません。
ただし、あまりにも日光が当たらない場合は花つきが悪くなる場合も。
シュウカイドウは手間がかからないので、初心者でも簡単に育てることが可能です。5年以上経過して株が混み合っている場合は、植え直しや株分けをするとよいでしょう。
「日光があまり当たらない場所=植物が植えられない場所」ではありません。
日陰でも元気に育つ植物は沢山あります。
気を付けることは同じ日陰でも色々種類があること。
半日陰を好む場合や、湿った日陰、乾燥した日陰を好むなど、植物によって適する条件は色々です。
庭の環境をよく把握して、日陰でも育てられる植物を選択してくださいね。