「サブツリー」とは、住宅などの建物の象徴となり景観を華やかにする「シンボルツリー」の引き立て役になる樹木をいいます。
サブツリーの基本は、お庭や玄関までのアプローチの空間で、人の目に留まりやすい場所に植えること。
また、シンボルツリーが常緑樹の場合はサブツリーを落葉樹に、 シンボルツリーが落葉樹の場合はサブツリーを常緑樹にすることが一般的とされています。
ガーデニングスペースに余裕があり、お庭の空間をもう少し彩り豊かにしたいと考えているなら、サブツリーを植えてみませんか?
今回は、サブツリーになるおすすめの樹木5選をご紹介します。
アセビ
アセビは日本、台湾、中国東部を原産地とするツツジ科の常緑低木です。
代表的な品種は「クリスマス・チア」、「フォレスト・フレイム」、「リュウキュウアセビ」など。
アセビは3~4月頃に小さな壺状の花を枝先からぶら下げるようにして咲かせます。
昔から和風の庭にあう樹木とされてきましたが、 昨今ではツヤのある葉、明るい花色で洋風の庭でもよく使われています。
特徴は寒さ、強さ、日陰、乾燥、潮風に強いこと。
また生長速度が遅いので、 剪定などの手間がかからないというメリットもあります。
植える場所を選ぶ時は、なるべく西日や直射日光の当たらない場所を探しましょう。
また花、葉、枝にはグラヤノイド、アセボトキシンなどの毒が含まれています。
直接口する機会はあまりありませんが、覚えておきましょう。
フイリアオキ
アオキは日本を原産地とするミズキ科の常緑樹。
「フイリアオキ」とは葉に模様がついていない「アオキ」に白い斑点が入ったものを指します。
緑と白の美しいコントラストがサブツリーとしておすすめできる理由です。
フイリアオキの他にも、黄色の斑点を持つ「シロノミアオキ」、 亀の甲羅のような模様を持つ「亀甲葉アオキ」などがあります。
葉に模様の入っていない品種は緑色の艶が鮮やかなことから和風の庭で多く使われています。
一方斑点や模様の入った品種は洋風の庭で好まれる傾向にあります。
アオキの強みは日当たりの悪い場所でも元気に育つこと。
日光の当たりが悪く、植える樹木がない時は、フイリアオキがおすすめです。
雌雄異株なので複数のフイリアオキを植えて上手くいけば、冬の初めに赤い実を見ることができますよ。
サザンカ
西日に強い樹木の選択に迷っているなら、サブツリーの定番ともいえるサザンカがおすすめです。
庭の景色が少し寂しくなる10~12月の時期にかけて花を咲かせる貴重な植物ともいえるでしょう。
品種や個体にもよりますが樹高は約2~6m。
西側に植えることで西日による建物の劣化を防いだり、室内の気温上昇を抑制したりする効果があります。
西日対策として植える時は水枯れに注意しましょう。
水枯れをおこすことで蕾や花が咲かなくなる可能性が出てくるので、 特に植え付けから2年未満の場合は充分な水やり、2年以上経過しているものは土が乾燥していれば水をたっぷりと与えてください。
品種が多いことで知られるサザンカは、白、ピンク、赤、複色などその花色や雰囲気の種類も多岐にわたります。
建物や庭の景色にあわせて、お好みの品種を見つけてみましょう。
エリカ
エリカは常緑性の低木で、その多くは成長しても1m以下にとどまります。
背丈がないのでサブツリー以外にもグランドカバーとしても活用することができます。
エリカ魅力は枝にびっしり咲かせる小さな花姿と開花時期の長さ。
黄色、ピンク、白、紫など品種によって多様な色を持ち、 また花の形もスズランに似た形や筒状のものなど様々で、いずれも庭を賑やかに彩ります。
開花時期は春、夏から秋、冬、不定期など種類によって異なります。
日本国内の市場では40~50種類が流通していますので、どの品種のエリカが庭に合うのか色々試してみましょう。
ユスラウメ
今回ご紹介する中で唯一食べられる果実を実らせるのが「ユスラウメ」です。
果実の見た目はサクランボによく似ていて、甘酸っぱい味が特徴です。
初夏の梅雨の時期ごろになると果実を収穫することができます。
ユスラウメは落葉性なので、庭に樹木を植えることで季節感を感じたい場合におすすめです。
育てる上で注意することは、水はけの良い土壌に植えてあげること。
湿気を嫌いますので、日光の当たる風通しの良い場所に植えてあげましょう。
剪定も徒長した枝を切る程度ですので、手間もそれほどかかりません。
ユスラウメの果実は生で食べることもできますが、ジャムやソース、果実酒などで楽しむこともできます。
ユスラウメの果実を沢山収穫することができたら、是非チャレンジしてみてくださいね。
植栽計画を立てる上で重要なことは、植えたい樹木が庭の環境にマッチしているかどうか、ということでしょう。
建物の雰囲気や周りの植物との兼ね合いも重要ですが、 日当たり、風通し、土壌、気候、水などの観点からも十分考慮して、サブツリーを選んでくださいね。