初夏を彩るアジサイは日本原産の落葉低木。
元々国内で自生していたガクアジサイがフランスやアメリカに渡り品種改良された結果、現在では2000以上もの品種が流通するようになりました。
毎年アジサイが咲くシーズンになると、日本各地にある寺院や公園は観光スポットとして注目を集めたり、おまつりが開催されたりして多くの人が集まります。
アジサイは古くから日本にある植物のため「和風の庭にしかマッチしないのでは?」と思われがちですが、洋風の庭にもあう品種がたくさん存在します。
そこで今回は、これからアジサイの栽培を始める方のために、おすすめしたいアジサイの品種8つをご紹介します。
・ガクアジサイ
ガクアジサイはアジサイの原種で70以上の種類があると言われています。
中央に位置する小さな粒が花で、花の周りを囲んでいるものがガクに相当します。
他の品種よりも開花時期が長く、派手さはないものの落ち着きのある可憐な姿が魅力です。
繁殖力が強いためこぼれ種で増えることがあり、日なたを好む特徴があります。
・西洋アジサイ(ハイドランジア)
アジサイといえば、この西洋アジサイの姿かたちを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
西洋アジサイは日本のアジサイがヨーロッパで品種改良されて逆輸入されてきたもので、半日陰で湿った土質を好みます。
白・ピンク・紫の花色が主流ですが、青や赤なども存在します。
こんもりとした花、大きめの葉が特徴なので、ボリューム感のあるアジサイや、華やかなアジサイを植えたい人におすすめです。
西洋アジサイは和風または和モダンでのガーデニングによく似合います。
・ポップコーン
ピンクポップコーン。#アジサイ pic.twitter.com/kNsIq9L4ov
— はる (@kodomohalsan) June 16, 2016
ガクアジサイの園芸品種ポップコーンには、「ウズアジサイ」「オタフクアジサイ」などの別名があります。
花弁が内側にカールしているため、名前の通りはじけたポップコーンが集まっているかのように見えるのが特徴です。
上手く剪定しながら育てていけば、約2メートルもの高さに生長することも。
花色は他の品種と同じく、土の酸度によって変化します。
・万華鏡
島根発のアジサイが完売続出 万華鏡のような美しさにうっとり
— grape (@grapeejp) July 2, 2017
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『万華鏡』と名付けられたアジサイ。その美しさの虜になる人が続出中です。 pic.twitter.com/ewInr2e9ST
「万華鏡」は万華鏡を覗いたときに見られる光景がそのまま映し出されたような、きらびやかな花姿が魅力。
島根県と「島根県アジサイ研究会」によって作り出された新しい品種で「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2012」を受賞しています。
色はブルーとピンクの2種類。萼片はそれぞれの色が中心から縁に向かうにつれて白いグラデーションをなしているので、全体的に軽やかで華奢な印象です。
・銀河
島根のアジサイ 銀河 pic.twitter.com/kBnr9jAyd5
— Koji Tominaga (@ktommy55) May 5, 2018
銀河は万華鏡と同じく島根県のオリジナル作品でブルーとピンクの2種類があります。
開花がはじまると次第に中央部分にある白い花が雲のように現れ、他のアジサイとはひと味違った鑑賞を楽しめます。
平成29年4月から出荷が開始されており、インターネット上での販売も見られますが、実店舗での取り扱いはまだ少なく、万華鏡と並び希少価値の高いアジサイです。
・マジカルノブレス
マジカルノブレスはアジサイを切り花で楽しむためにオランダで改良された「マジカルシリーズ」の一つです。
マジカルシリーズはどれも花茎が丈夫なため、他の品種よりも花の重さによって茎がしなったり倒れたりすることがありません。
マジカルノブレスの特徴は開花すると色が白やアイボリーからグリーン、ピンクへと変化すること。
また、中央にある蕾の柔らかなグリーンも花の魅力を引き立て、西洋風の庭によくあいます。
花期は2~3ヶ月と長く、切り花だけでなく地植えのままでも十分楽しめる品種です。
・アナベル
今日の花見山公園
— 時計草 (@tokeisou88) June 27, 2019
アナベル(アジサイ)が見頃です。#空ネット pic.twitter.com/mYTaew4bw8
白いアジサイとして有名なアナベルは、開花前はグリーン、開花時は白、秋が近づくにつれてくすみのあるグリーンへと色が変化していきます。
最近ではピンク色のアナベルの流通も増え、柔らかな色合いのアジサイを求める人や花後にドライフラワーを作る人などに人気があります。
他のアジサイのようにアルカリ性や酸性といった土質によって色が変化することはないので、色を重視する人にとってはガーデニングに取り入れやすい品種といえるでしょう。
・てまりてまり
小ぶりの八重咲きで愛らしい「てまりてまり」は、静岡県掛川市内にある加茂花菖蒲園で西洋アジサイとヤマアジサイをかけ合わせて作られた品種。
八重咲きならではの繊細さと、「てまり」のようなボリューム感で洋風、和風の庭どちらにも華やかさをそえてくれるでしょう。
ブルーとピンクが販売されていますが、色を変化させたくないのならアジサイ用の色別に別れた培養土を利用して、鉢植えでの栽培をおすすめします。
さいごに
気に入ったアジサイはありましたか?
アジサイといっても、色や形、茎の太さなど品種によって千差万別です。
昔ながらのオーソドックスなアジサイも魅力ですが、品種改良されて時間の経過とともに色が変化するアジサイや、花弁の形が珍しいアジサイをガーデニングに利用すると今までとは違った雰囲気の庭づくりができます。
気に入った品種やまだ育てたことがない品種があれば是非挑戦してみてくださいね。