「長期栽培できる野菜を植えたい」
「毎年の種まきや植え付けが面倒………」
家庭菜園の定番、国内ほぼ全域で栽培ができるアスパラガスはカロチンや食物繊維、葉酸などが含まれた人気野菜。
一度植えると、その後約10年間に渡って毎年収穫ができ、難しい栽培管理もありません。
今回はアスパラガスをプランター栽培する場合の、苗植えから収穫までの育て方のポイントを6つに分けてご紹介します。
◆アスパラガスの栽培環境と種類
アスパラガスはプランターでも地植えでも栽培が可能。
庭に菜園スペースがない場合や、ベランダでアスパラガスを育てたい人はプランターを活用しましょう。
アスパラガスの生育適温は15~20℃。好む環境は日光の程よく当たる場所、土壌酸度6.0~6.5pH(中性~弱酸性)の土です。
代表的なアスパラガスの種類には、私達が一番目にする機会の多い「グリーンアスパラガス」、グリーンアスパラガスを日光に当てずに軟白栽培した「ホワイトアスパラガス」、ヨーロッパで多く流通している「紫アスパラガス」などがあります。
◆アスパラガスの植え付け
アスパラガスは種から育てることもできますが、苗を育てるのに2年の歳月が必要で、収穫は3年目からになるため、家庭菜園では数年栽培された「大苗」を購入からスタートさせるのが一般的です。
苗の植え付けは、春か秋が適期。早い時期の収穫を希望するなら秋に植えておきましょう。
植え付けポイントは次の通りです。
・鉢は12号以上で1株、プランターは深さ30センチ・幅65センチ以上を使用
・土は野菜用培養土が便利
・鉢やプランターには軽石を敷き、根鉢を崩さないように広げながら植え付ける
・植え付け後は根付くまでしっかりと水やりをする
◆アスパラガスの栽培管理
・水やり
アスパラガスは水分が不足すると生育に影響が出ます。
水やりは土が乾燥したらたっぷりと、特に夏場は乾燥しやすいので毎日の水やりが必要です。
・肥料
アスパラガスは根の養成が大事なので肥料やりが必要です。
水やりのさいに液体肥料を施すか、化成肥料が根や株に直接当たらないように、鉢やプランターの縁に沿って置きましょう。
・支柱立て
アスパラガスは順調に成長すれば茎が1~1.5メートルほどに伸びてきます。
放置しておくと茎が倒れる可能性があるので、60センチ位の高さになったら支柱を立てましょう。
アスパラガスは成長するにつれて葉も広がります。
支柱は1本だけでなく数本立て、それぞれの上部を紐で結んで固定させましょう。
・雑草処理
必要な栄養素がアスパラガスに行き渡るように、雑草はこまめに処理しましょう。
・花
5月~7月になるとアスパラガスは小さな釣鐘状の薄い緑色の花を咲かせます。
オランダから日本に入ってきたアスパラガスが当初は観賞用植物であったのも納得できる愛らしさです。
◆アスパラガスのかかりやすい病害虫
分かりにくいが、茎枯病というアスパラの病気。ここ2〜3年で初。広がらないことを祈る…。 pic.twitter.com/VvFNh6hHGq
— bizark22@Civ6ボイロMOD動画 (@bizark22) August 18, 2019
アスパラガス栽培で注意する害虫には、カイガラムシ・ヨウトムシ・ジュウシホシクビナガハムシ・アブラムシなどがあります。
見つけ次第農薬を散布して駆除することが大切です。
病気では梅雨のシーズンに発生しやすい茎枯病に注意が必要です。
初期症状は茎の表面に小さな斑点が出てきますが、進行すると茎全体が枯れてしまいます。
茎枯病は伝染病なので一度発生すると他の植物にも影響を及ぼします。
発見したらすぐに株全体を引き抜き処分しておきましょう。
茎枯病にならないためには、前年度の茎は残さず処分し、日当たりと水はけの良い土を利用がポイントです。
◆アスパラガスの収穫
アスパラガスの収穫は、若芽の高さが15~25センチくらいになったころが適期。
ナイフやハサミを利用して株元を切って収穫しましょう。
良質なアスパラガスは手の人差し指くらいの太さがあり、穂先がしっかりと固くしまっています。
注意点は収穫適期内でアスパラガスを刈り取ること。
収穫適期を逃したアスパラガスは筋が固くなってしまいます。
また、全てのアスパラガスは収穫せずに細い芽や収穫適期(6月頃)以降に出てきた芽は刈り取らず、株に養分を与えて弱らせないようにしましょう。
これらの芽を残すことが、翌年以降の収穫量の増量につながります。
◆アスパラガスの収穫後の作業
え、今年の栽培終わって、刈り取って、植え替えて、お礼肥までしたよ?
— A.thalina (@NazunaGarden) November 2, 2019
気候がおかしいのか、私の育てかたが悪かったのか…😓
そして、これは採って食べちゃった方がよいのでしょうか?
分かる方、教えていただけませんでしょうか🙇#家庭菜園 #アスパラ pic.twitter.com/1h0pGLbOZ3
アスパラガスは成長が速いので鉢やプランターの中で根が一杯になっている可能性があります。
様子を見て収穫期、または真夏か真冬以外の収穫後に株分けをおこないましょう。
株分けした鉢はいきなり日光に当てず、最初は日陰で管理しながら徐々に日なたに移動させると上手に育ちます。
またお礼肥を施すのも忘れずにおこなってください。
さいごに
収穫したアスパラガスを冷蔵庫に入れて保存する時は、必ず穂の部分を上にして立てた状態で入れておくのがポイントです。
アスパラガスは本来、穂先を上にする習性があるため、横にして入れると立ち上がろうとするときにエネルギーを使い、鮮度が落ちてしまいます。
苗から育てるアスバラガス栽培はガーデニングに慣れていない人でも挑戦しやすい家庭菜園ですので、是非挑戦してみてくださいね。