佃煮やゴーヤチャンプルなどで活躍、独特な苦みが特徴のゴーヤ。
夏を代表する野菜らしく生産量のトップ3は沖縄・鹿児島・宮崎と、日本の暖かい地域で生産されています。
日本の暑い夏を乗り切るために、ゴーヤの栽培でグリーンカーテンを作ってみませんか?
今回はこの記事で、グリーンカーテンのもたらすメリット、ゴーヤの栽培方法などについて解説します。
■グリーンカーテンのメリットとは
暑い夏を少しでも涼しく過ごすためのグリーンカーテンを作るメリットは次の通りです。
1 窓から入る日光を遮り、室内の気温上昇を防ぐ
2 根から吸収した水分が葉から蒸発することで、周囲の温度が下がる
3 視覚的な涼しさを感じられると同時に花や実も楽しめる
4 節電につながる
基本的にグリーンカーテンに向いているのは、ネットをつたってツルを伸ばす植物。
ツル性植物にはゴーヤはもちろんのこと、アサガオ・フウセンカズラ・ヘチマ・ひょうたんなどがあります。
グリーンカーテンは植物栽培を楽しめると同時に、これらのさまざまな相乗効果が期待できます。
■ゴーヤの栽培環境
好む栽培環境は、風通しと日当たりが良く、排水性に優れた土壌。
耐暑性に優れているため、発芽温度は25~30℃、生育適温は20~30℃と他の植物に比べ高めなのが特徴です。
ゴーヤは連作障害を起こすウリ科に属するので、前年度にきゅうり・マカリウリ・シロウリ・かぼちゃなどを育てた土は使用しないように注意してくださいね。
■植え付け
ゴーヤのグリーンカーテンを作るとなったら、早速準備にとりかかりましょう。必要なものは以下の通りです。
・大きめのプランター(深さ30㎝は必要)
・鉢底石
・土(野菜用培養土)
・苗(株間30~50㎝)
・支柱とネット
手間をかけずにゴーヤを育てるには、ホームセンターや園芸店で販売されている「ゴーヤの苗と野菜用培養土」の利用が便利です。
用意したプランターに鉢底石(必要であれば鉢底ネットも)を敷き、プランターの上部から3㎝ほどの高さまで土を入れましょう。苗の株間は30~50㎝。
苗がしっかりと入るくらいの植え穴を掘り、前もって穴に水を注いでおくのがポイントです。
購入したポットから苗を抜き出したら、水のひいた植え穴にゴーヤを入れて土をかけ、上からしっかり押さえて終了です。
■支柱とネットの設置
支柱とネットのサイズは、作りたいグリーンカーテンの大きさに合わせましょう。
ネットを購入する際は、取付用のロープなどが設置されている「つるもの用」の利用がおすすめです。
特にゴーヤは実ができるので、重さに耐えられるしっかりしたネットを準備するとよいでしょう。
設置するタイミングは植え付け時でも構いませんが、生育が進んできてからでも大丈夫。
ただし、ネットの上部は壁や金具、下部はブロックやアンカーにしっかり固定し、強風でも崩れないように設置しましょう。
■栽培管理
ゴーヤは病害虫にかかりにくく、初心者でも手間をかけずに育てられる野菜ですが、栽培管理のポイントがいくつかあるのでご紹介しましょう。
・水やり
ゴーヤは生長して葉が生い茂るようになればなるほど、水分を必要とします。
水やりは気温の高い日中は避け、できる限り朝の涼しい時間帯に鉢底から水が出てくるくらいしっかりと与えてください。
・摘心と誘引
ゴーヤの摘心のタイミングは本葉が5~6枚出てきたころ。
茎の先を2~3㎝切り落とすことで、子ツルや孫ツルが多く出てくるようになります。
ツルの長さが20~30㎝くらいになったら、ネットの網目にツルをくぐらせ、上に向かって伸びるように誘引してあげましょう。
この時、等間隔で子ツルを固定し、ネットにグリーンの隙間ができないようにすることで、後に美しいゴーヤのグリーンカーテンが出来上がります。
・追肥
追肥のタイミングは着果を確認してからが基本ですが、葉の色が黄色で元気がないようであれば与えても構いません。
ただし、窒素成分の多い肥料は「つるボケ」の原因となるので、気を付けましょう。
■収穫
収穫のタイミングは、花が咲いた15~20日後あたり。
品種にもよりますが、20~30㎝の大きさになったら、実のつけ根をハサミなどで切り取って収穫しましょう。
ゴーヤは生長が早いため、収穫適期を逃すと緑色から黄色に変化し、実が裂けてしまいます。
ゴーヤを食用で使うなら緑色のうちに収穫しますが、種を取りたいのであれば実にネットをかけておき、実が裂けるまで放置しておきましょう。
葉全体が黄色く変化してきたら、グリーンカーテンの時期は終了です。
支柱やネットは外して仕舞い、次のシーズンに備えましょう。
土は連作障害を避けるため、念のため次年度にウリ科の植物には使用せず、堆肥・腐葉土・土壌改良材などを混ぜて別の科の植物で再利用するとよいでしょう。
まとめ
グリーンカーテンを作るゴーヤの栽培では、虫による自然受粉が難しい場合があります。
なかなか着果が認められない時は人工授粉をしてみましょう。
日光・水やり・肥料の栽培ポイントに気をつけて育てれば、ゴーヤのグリーンカーテン作りが難しいことはありません。
室内からも見える生い茂る葉で、暑い夏を乗り切りましょう。