センリョウの育て方5つのポイント 挿し木の方法もご紹介

濃い緑の葉に赤い実をつけ、縁起の良い木として知られるセンリョウ。


樹高は高くても1メートルほどで、庭木はもちろん鉢植えでも栽培を楽しめる扱いやすい常緑樹です。


また花瓶に飾った実をつけたセンリョウなら、花より長持ちする点が魅力。


そこで今回は、センリョウの基本的な育て方5ポイントと、挿し木で増やす方法などについてご紹介しましょう。

●センリョウの栽培に適する環境

日本の庭木として馴染み深いセンリョウは、東アジアの暖かい地域を原産地とする常緑性の低木です。


関東以西の地域であれば地植えが可能ですが、寒さにはあまり強くないため関東より東の地域なら鉢植え栽培をおすすめします。


耐陰性のあるセンリョウの好む置き場所は、ほどよく日光の当たる明るい日陰。


置き場所は、夏の直射日光と冬の寒風の当たらない場所を選択してください。

●センリョウの植え付け

センリョウの植え付けに使用する土は、赤玉土と腐葉土をおよそ8:2の割合が適しています。

・種から育てる

冬の時期では、店頭で販売されている赤い実のついた切り枝を購入する方も多いのではないでしょうか。


センリョウの実は3月から4月ごろまで楽しめますが、実が黒く変色しないうちに果肉の中にある種で栽培をはじめましょう。


1 果肉から種を取り出し水洗いする

2 水はけのよい土を用意して、深さ1センチ以上を確保して埋める

3 発芽するまでは乾燥しないように水やりをする

4 発芽後は日陰で育て、約1年後に根にダメージを与えないように注意して定植する

・苗木から育てる

園芸店などで苗木を購入した場合の植え付け手順は以下のとおりです。


1 ポットより1周り大きな深鉢を用意

2 鉢底石を敷き、腐葉土を多めに含んだ排水性の良い土に入れる

3 転倒しそうなら支柱を添える


地植えのときの注意ポイントは、深植えにしないようにすること。


また苗木の定植の適期は4月から5月、9月から10月です。

●センリョウの日常管理

センリョウの植え付け後の日常管理を見ていきましょう。

・水やり

鉢植え……湿った土を好むため、土の表面が乾燥したら水を与える

地植え……植え付け後に根が定着するまでは水やりが必要、その後は降雨のみで足りる

・肥料

基本的にほぼ必要はありません。


大きく育てるなら緩効性肥料などを5月から6月に少量与えましょう。

・剪定

センリョウはほぼ枝分かれをせずに成長するため樹形が乱れにくく、若い木なら放任しておいても問題はありません。


ただし3年以上経過したころから枝が込み入り、茂る様子が見られたら、風通しを良くするために剪定が必要です。


・実のつかない枝や込み入っている枝は切る

・若返りをはかるなら、3月に実のついている枝を付け根ギリギリで切る

・病害虫

センリョウは病害虫にかかりにくい植物なので、心配の必要はほぼないでしょう。

●センリョウの花

センリョウは実に注目がいきがちですが、6月ころになると花びらのない黄緑色の小さな花を咲かせます。


見た目は少し地味ですが、「可憐」「財産」「富」「祝福」「恵まれた才能」などの縁起のよい花言葉があります。

●センリョウを挿し木にするなら

センリョウは種から育てることもできますが、切り取った枝から増やす挿し木も可能です。


挿し木の適期は新芽が出る前の3月から4月にかけて。


手順は次のとおりです。


1 センリョウの枝の先端から2~3節を切り落とす

2 残す葉は先端から4枚で、他の葉は取り除く

3 約1時間給水させる

4 挿し木用土または赤玉土を含む土に挿す

5 日の当たらない場所に置いて乾かさないように水やりをする


切り取った枝についている葉が大きい場合は、水の発散を防ぐために葉の3分の1を切断しておきましょう。


挿し木をして順調にいけば、2~3ヶ月で発芽します。

●センリョウ栽培のQ&A

ここではセンリョウ栽培でよく見られる疑問、またその回答についてみていきましょう。

Q センリョウに実がつかない原因は?

細い枝や古い枝をそのままにしているなら、地際から剪定をしましょう。


また窒素分の多い肥料を与えているのが原因で、開花せずに実がならない場合もあります。


花が咲いたにもかかわらず実がならないのは、夏の直射日光や西日、寒風が原因かもしれませんので、適切な場所への移動が必要です。


反対に日陰などの日光量が少なすぎる場合も、実のなりが悪くなる傾向があります。

Q マンリョウとの違いはなに?

センリョウとマンリョウの見た目は似ていますが、主に次のような違いがあります。


・センリョウはセンリョウ科の常緑低木、マンリョウはサクラソウ科(ヤブコウジ科)の常緑低木

・センリョウの実は葉の上につくのに対し、マンリョウは葉の下につく

Q センリョウにはどんな品種がある?

今回ご紹介したセンリョウ以外の有名な品種に、「キノミセンリョウ」という実の黄色いセンリョウがあります。


育て方は赤い実をつけるセンリョウと同じです。

●さいごに

センリョウは置き場所や水やりに気をつければ、病害虫の心配もほぼないので、育てやすい植物といえるでしょう。


和風の庭造りで植物をお考えの方、鉢植えでセンリョウを楽しみたい人など、気軽にセンリョウ栽培をはじめてみてはいかがでしょうか。

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常緑樹と落葉樹別におすすめの庭木10選を紹介

庭に植える植栽やシンボルツリー。


「何を植えようか?」と悩んでいる方のために、常緑樹と落葉樹別におすすめの庭木を厳選しました。


和風、洋風、モダン、雑木風など、住宅や外構の雰囲気に合った庭木を植えて、おしゃれな庭づくりを目指しましょう。

1.常緑樹におすすめの庭木5選

まずは常緑樹からおすすめの庭木を5選紹介していきます。

1-1.常緑ヤマボウシ

ハナミズキとよく似た花をつけるヤマボウシには、常緑樹の性質を持つホンコンエンシスという種類が庭木の中でも人気を博しています。


成長速度が緩やかで管理がしやすく、一年中葉をつけていることからシンボルツリーにも最適。


5月ごろには白い花が咲き始めるため、花木としてもおすすめです。

1-2.ユーカリ

南欧風、北欧風、英国風など、洋風の庭づくりをしたい方にはユーカリがおすすめ。


春から夏は爽やかなシルバーの葉色が楽しめますが、秋になると葉が次第に赤く色づき始め、シックな色合いの常緑樹となって庭を飾ります。


ユーカリをシンボルツリーや庭木として大きく育てるなら、ユーカリ・グニーやユーカリ・ポポラスといった種類がおすすめですが、成長が早いので毎年の剪定は必須です。

1-3.ハイノキ

繊細な雰囲気を感じられるハイノキは、洋風、和風、雑木風など、さまざまなテイストにマッチするおすすめの常緑樹です。


特におすすめしたいポイントは、成長がとても遅い庭木であること。


管理や剪定が面倒な方や、忙しくてあまり手入れができない方にとっては、非常に育てやすく、重宝する庭木といえるでしょう。

1-4.ソヨゴ

ソヨゴは絶えず明るい葉色で彩りを与えてくれ、風が吹くと鳴るカサカサとした葉音や秋になる赤い実など、楽しみ方が豊富なおすすめの常緑樹です。


ソヨゴもまた成長スピードがゆるやかな庭木であるため、管理がしやすいメリットも。


明るい日陰でも育つため、日陰の緑化にもおすすめです。

1-5.シラカシ

シラカシはどんぐりがなり、強健なことでも有名な人気の常緑樹です。


日陰でもよく育ち、耐寒性が強く、塩害や潮風にも絶えられることから、場所や環境をを選ばずに植えられます。


萌芽力が強いので、生垣や目隠し目的で植えるのもおすすめ。


強く刈り込んでも平気なため、初心者でも管理がしやすい庭木です。

2.落葉樹におすすめの庭木5選

秋の紅葉が美しい落葉樹。特におすすめの庭木を5つ紹介します。

2-1.アオダモ

アオダモは落葉樹の中でも非常に人気の高い庭木です。


美しいシルエットと繊細な雰囲気が魅力を放ち、住宅の外観を一段とおしゃれな印象にしてくれます。


アオダモは高木なので広いスペースにゆったりと植えるのがおすすめ。


和モダンや洋風住宅、雑木風の庭づくりにも役立つでしょう。

2-2.ヒメシャラ

赤褐色の幹が特徴的なヒメシャラ。


新緑と紅葉が非常に美しく、6月ごろには可愛らしい白花を咲かせて、季節を通して色々な姿を見せてくれる魅力たっぷりの庭木です。


ただし、西日や乾燥にはあまり強くないため、半日陰や明るい日陰に植えるのがおすすめです。


基本的には自然樹形を楽しむ庭木なので、剪定はほとんど必要ないでしょう。

2-3.ジューンベリー

ジューンベリーは果実が食べられるおすすめの落葉樹です。


4月ごろに花が咲いたあと、6月にはたわわに実ったジューンベリーの実を収穫できます。


シンボルツリーにするのはもちろん、秋の紅葉やナチュラルな樹形などにも大変魅力があるので、景観を楽しみつつ、収穫体験も興じてみてはいかがでしょうか。

2-4.イロハモミジ

秋の紅葉といえば、イロハモミジを想像する方が多いはず。


落葉樹の代表格であるイロハモミジは、新緑と紅葉、落葉後の寂しげな佇まいなど、四季折々の姿が楽しめる庭木です。


ただ、夏の直射日光が当たる場所では葉焼けをすることがあるため、植え付け場所は半日陰がおすすめ。


庭に一本植栽するだけで存在感のある庭木となるので、アクセントツリーとして植えるのも最適でしょう。

2-5.コハウチワカエデ

モミジよりも柔らかな印象づくりに役立つコハウチワカエデ。


秋の紅葉が綺麗な落葉樹の仲間です。


和のテイストにはもちろんのこと、洋風な住宅やモダンな雰囲気にもおすすめできます。


しかし、コハウチワカエデも夏の直射日光や西日に弱い傾向があるため、半日陰に植えるか、住宅の影になる場所などを選んで植え付けてください。


乾燥予防に下草や低木を株元に植え付けるとなおいいでしょう。

3.まとめ

今回は常緑樹・落葉樹別におすすめの庭木を紹介しました。


庭木は住宅の外観や庭をワンランク上の雰囲気にし、緑溢れる風景が楽しめます。


また、景観が豊かになるだけでなく、季節の変化を感じとれたり、リラックス効果が得られたりといったメリットも豊富です。


緑豊かな庭づくりのためにも、今回紹介した常緑樹・落葉樹をぜひ家に迎え入れて、四季折々の姿を楽しみながら育ててみてはいかがでしょうか。

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コニファーの栽培方法6ポイント! 鉢植え栽培のコツも合わせてご紹介

冬の寒い時期も緑を楽しめるコニファーは、洋風はもちろん和風のガーデンにもマッチする常緑樹。


「コニファーってどんな種類があるの?」


「コニファー栽培は難しい?」


これからコニファーを植えようと予定しているなら、このような疑問をもつ方もいらっしゃるでしょう。


そこで今回はコニファー栽培の基本として、育て方のポイントを6つに分けてご紹介します。

◆コニファーはどんな植物?

一口にコニファーといっても、日本で栽培できる品種は200ほど。


日本以外では数万にものぼる品種があるといわれています。


またコニファーという呼び名はヨーロッパに自生する針葉樹の総称で、イチイ科・マツ科・ヒノキ科・ナンヨウスギ科など多くの科目が含まれています。


そのため同じコニファーでも色や形は多種多様。


コニファーの色や形の特徴を見てみましょう。


・色………緑・青緑・黄緑・黄金・銀緑青・濃緑・班入りなど

・樹形………円筒形・円柱形・ロケット形・円錐形・匍匐型など

・樹高………数十センチ~20メートル位

◆コニファーの人気種

ここではコニファーの人気3種をご紹介します。

・ゴールドクレスト

葉の色が明るい緑色で、クリスマスツリーなどにも活用されています。


庭を明るく華やかな雰囲気にしたい人におすすめ。


コニファーの中でも人気品種です。

・シルバースター

狭円すいの樹形、旺盛な分枝、星型の枝先が特徴。


耐陰性があるため「半日陰の場所しかない」という方にもおすすめです。

・ブルーカーペット

コニファーをグランドカバーとして使いたい人におすすめ。


暑さ、寒さに強く丈夫なため、初心者でも育てやすい品種です。

◆コニファーの購入と植え付け

コニファー栽培を始めるなら、園芸店でポット苗を購入する方も多いかと思います。


苗の購入では、可能なかぎり品質のよいコニファーを選ぶのが大切。
良い苗の条件は次の通りです。


・葉の変色がなく、色艶が良い

・ポットの下から根が出ていない

・葉がきちんと繁っていてみずみずしい

・葉に触れても簡単に落ちない

・枝が軟弱ではない


ポットで購入した苗は季節を問わず植え付けが可能です。


ただし夏場のムレや乾燥は好まないので、できるだけ春または秋に植え付けてあげましょう。


鉢植えにするなら苗よりも一回り大きな鉢に、庭に植えるなら深さ2~3倍の穴に植え付けます。


また複数を地植えにするなら、品種による高さや幅を考慮して間隔を決めてください。

◆コニファーの好む環境

コニファー栽培ではきれいな葉色を出すためにも、基本的に日光が当たる場所を選びましょう。


ただ品種(ヒノキ科・スギ科)によっては半日陰のような場所でも育ちます。


土壌は保湿性、排水性、有機性に富んだ土質が好み。


また鉢植えで育てるなら、観葉植物用に市販されている土でも構いません。

◆コニファーの栽培管理

・水やり

植え付け直後の水やりは、鉢植え地植えともに根付くまで十分な水やりが必要です。


根付いた後の水やり方法は次のとおりです。


・鉢植え………土の表面が乾いたら十分に与える・夏は朝夕、冬は午前中が適している


・地植え………降雨のみで育つ

・肥料

肥料やりはコニファーの成長度、葉の色艶に良い影響を与えます。


鉢植えにしたコニファーには、頻繁な水やりで肥料が流れてしまわぬように緩効性肥料がおすすめです。


地植えで育てるコニファーには、2月頃に化学肥料を元肥として与え、生育が悪い場合や、大きく育てたいなら7月ごろに追肥しましょう。

・剪定

いつ見ても樹形が整い、剪定いらずのイメージがあるコニファーですが、品種によっては成長するにしたがい樹形が乱れ、剪定が必要な場合もあります。


深く刈り込む「強剪定」の適期は3~4月の春先。


この時期の剪定は新芽が出る前なので、大幅に枝を切っても成長に影響を与えません。


対して「軽剪定」の適期は真夏を除く6~10月。


不用意に伸びすぎた枝を手で摘み取る程度にとどめましょう。


なお剪定時のハサミは、枝を茶色く変化させないためにも、セラミック製を使用してください。

◆コニファーの植え替え

鉢植えで育てているコニファーの場合、2~3年ごとの植え替えが必要です。


理由は、コニファーの大きさが鉢に見合わないと保水性、排水性が悪くなり根詰まりを起こす可能性が出てくるから。


植え替えは、春先から秋に一回り大きな鉢に根を崩さないようにそっと植え替えるのがポイントです。

◆コニファーが茶色くなる原因

コニファー栽培で多い悩みごとに「葉が茶色になり枯れる」現象があります。


これは湿気によるムレ、夏の暑さ、金属に触れたなどが原因です。


残念ながら枯れた部分はほぼ復活しませんので、茶色く変化した枝は手でそっと摘み取りましょう。


また枝全体の葉が枯れているなら、枝の生え際からカットしてください。


本来きれいな緑色をしているコニファーならすぐに色の変化に気が付きますが、元々の葉色が黄色系のコニファーの場合、枯れ始めに気づかない場合もあります。


見た目では分かりづらい品種では、実際に葉を触って水分不足になっていないかどうか確認してみましょう。

◆さいごに

今回は一般的なコニファー栽培についてご紹介しましたが、コニファーは品種によって適切な環境や栽培方法が異なります。


お気に入りの品種を見つけたら、必ずその品種に見合った栽培法を確認しておきましょう。

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