庭をお持ちの方なら、雨の多い時期に芝生に生えているキノコを発見した経験があるかと思います。
毎日庭のお手入れをしていても、キノコは突然現れるもの。
ガーデニング作業中にキノコをいきなり見つけ、驚く方も多いのではないでしょうか。
キノコを気持ち悪いと感じるなら放置しておきたいところですが、そのままにしておくと芝生に悪影響を及ぼします。
そこで今回は、キノコの種類や対処法などガーデニングで役立つキノコの知識を5つのポイントに絞ってご紹介します。
● キノコの発生は梅雨と秋の時期に多い
庭の芝一面にキノコ🍄☠️
— 💎🦋💎結絆ユヅキ💎🦋💎 (@musubukizunaaa) June 30, 2019
この子達梅雨時にだけ現れる😊☔️ pic.twitter.com/qgrLBBrmOW
キノコは菌糸体が集合してできた「子実体」です。
私たちが目にするキノコは、土壌や芝生に存在する菌糸体のほんの一部。
庭にキノコが生えてきた時点で、周辺の芝生や土には菌が多く存在しています。
キノコの発生には降水量や気温が関係し、1年の中で最も発生しやすいのは、6月~7月の梅雨の期間と9月~11月ころの秋の期間です。
ただしこれらの期間中でも「気温が高くて湿度が低い」状況下では、キノコの発生は減少します。
● キノコは芝生に悪影響
気温も少し下がった所に昨日の雨で湿気たから?朝になったらナゾのキノコが大量発生してた (^_^;)
— 36pilot (@36pilot) August 28, 2019
よく観察してみたら芝の根元に堆積したサッチ(芝の枯葉)の下に真っ白い綿のような菌糸が繁茂してやんの…
何か対処しなくては。。。 pic.twitter.com/SLn7uyMwck
ガーデニングを楽しむなら、美しい庭造りを心がけたいものですね。
キノコの発生によって及ぼす悪影響は次のとおりです。
・景観が損なわれる
・芝生の排水性、通気性が悪くなる
・肥料の効き目が薄れる
・芝の色が変化する
・芝生が枯れる
キノコが芝生に与える悪影響は、土の中で菌糸体の層が作られることが原因です。
菌糸体の層ができると、水分や空気の通りが悪くなります。
通気性が損なわれることが原因となり、肥料濃度の上昇や生理障害で芝の色が濃くなったり、最悪の場合枯れてしまったりします。
少量のキノコの発生ではさほど問題にはなりませんが、キノコの数が多ければ多いほどこれらの問題が発生する確率が高まります。
● よく見るキノコ4つ
ここでは芝生に生えるキノコの中でも、代表的なものを4つ見ていきましょう。
1 シバフタケ
茶褐色の傘が特徴。傘の直径は2~4センチで群生する特徴があります。ヨーロッパでは食用として扱われています。
2 ヒメホコリタケ
白くて丸い形が印象的なヒメホコリタケは、表面のトゲや粉が特徴です。
成長すると傘に出来た穴から胞子を飛ばし、仲間を増やします。
3 ドクベニタケ
ドクベニタケは傘が赤やピンク色をしていますが、時間が経過して古くなると、やや白味を帯びてきます。
名前のとおり毒があるため、絶対口にしてはいけません。
4キコガサタケ
細く長い柄に、白い三角の形をした傘がついているキノコです。
芝生に与える害は少ないとされています。
●キノコが生えづらい芝生にするためには
ではキノコを発生させないためには、どのような対策があるのでしょうか。
1 土壌の通気性を良くしておく
芝生のお手入れに、エアレーションやコアリングがあります。
これらは芝に穴を開けて通気を促し、芝を活性化させるものです。
エアレーションは芝生の生育促進のため、乾燥しやすい夏と休眠期の冬は避け、春と秋におこないます。
通気性が良くなると、キノコの菌以外の菌が増殖するため、キノコの菌の発生が抑えられます。
2 芝生上の有機物を排除する
芝の上にある枯れ葉、刈った後の草は有機物の層をつくり、キノコ菌の栄養になります。
特にキノコの発生しやすい時期は、枯れ葉の掃除をこまめにし、サッチング作業をおこないましょう。
サッチングとは、芝刈り後の刈りカス、または枯れた芝生の葉や根を取り除く作業。
手作業でするならレーキや熊手、薬剤を利用するならサッチ分解剤を散布します。
また芝生に目土を入れても、サッチの分解の効果が期待できます。
3 芝の張り替えは古い芝は除去する
芝生の張り替えをするさい、古い芝生の上から新しい芝生を張ると、古い芝に残っている菌糸体からキノコが発生する可能性が出てきます。
芝の張り替えをするなら、古い芝は除去した後に新しい芝をはりましょう。
4 周囲の環境を整える
通気性悪い場所や、日光量の少ない場所はキノコが発生しやすくなります。
通気を妨げるものがあれば移動し、日光が当たるように周囲の樹木や生垣の剪定を定期的におこないましょう。
●芝生に生えたキノコは食べてはダメ
庭にキノコ生えてた
— ルキ (@ruki_fuchs) October 1, 2019
(絶対に食べないけど) pic.twitter.com/WwO2F4mTjb
日本国内にあるキノコの種類は4000~5000種といわれています。
「芝生に生えたキノコを食べてみたい」と思ったとしても、決して安易に口に入れてはいけません。
数あるキノコの中でも、毒性があるとわかっているのは一部のみ。
素人が手にしたキノコと図鑑に載っているキノコを見比べ定めたり、毒キノコと食用キノコの見分けをつけたりするのは容易ではありません。
一見、色や形が写真と同じように見えるキノコでも、柄の部分や傘の裏が異なる場合があるので、注意が必要です。
さいごに
キノコを発見したら、早めに取り除いて菌の繁殖を抑えましょう。
あまりに多くのキノコが発生したら、薬剤を利用して駆除しましょう。
キノコは食べない限り人間に害を及ぼすことはありませんが、芝生の生態や景観に悪影響を及ぼします。
サッチングやエアレーションなどはキノコの抑制に効果があるので、芝生の日常のお手入れをきちんとおこなうことが大切です。