ドクダミを育てるには? 栽培方法や注意点など5ポイントをご紹介

国内のほとんどの地域で越冬が可能、楚々とした可憐な姿が魅力のドクダミ。


独特なにおいと、繁殖力の強さで厄介者として扱われることもありますが、昔から観賞用としてはもちろん、万能薬として重宝された植物でもあります。


そこで今回は、ドクダミの特徴や育て方、注意点などについてご紹介したいと思います。

●ドクダミの特徴

日本や中国、東南アジアを原産地とするドクダミは、日本全国の道端や公園など、ありとあらゆるところで見かけることができるハーブです。


冬になると地上部は枯れますが、多年草のため暖かくなると芽を出して再び成長をはじめます。


草丈はおよそ20~40センチほどで、5月中旬から6月にかけて白い苞に包まれた黄色い花を咲かせます。


ドクダミは湿気のある日光の当たる場所を好みますが、頑強な強さをもつので、日陰や乾燥した土地でも環境に順応しながら、どんどん成長します。

●ドクダミにはどんな品種がある?

ドクダミと言えば、ハート型をした緑色の葉と白い苞、苞の中央にある小さな黄色い花を想像する方も多いのではないでしょうか。


ここでは、ドクダミの本種以外の代表的な品種をご紹介しましょう。


・ヤエノドクダミ

白い苞が重なり合う、八重咲きのドクダミです。

一般的なドクダミのように数が多くないので、頻繁にはお目にかかれないでしょう。

・五色ドクダミ

葉の先端が尖り、黄・白・ピンク・赤などの斑が入る品種です。

鮮やかな葉色でカラーリーフとして活用できます。

・錦ドクダミ

五色ドクダミと同じく葉に斑が入りますが、草丈や葉の大きさが小さい特徴があります。

●ドクダミの栽培方法

ドクダミは丈夫、かつ繁殖力に優れた植物なので、放任しても十分に育ちます。

基本的な栽培管理は次のとおりです。

・土

ドクダミはあまり土質を選ばない植物のため、それほど気にする必要はないでしょう。

あえて土を用意するなら、市販されている草花用培養土が適しています。

また湿り気のある環境を好むため、自作するなら湿度を保てる腐葉土や赤玉土の使用をおすすめします。

・植え付け

ドクダミの植え付けは冬の時期を除けばいつでも可能ですが、最適なのは4月または10月です。

苗を鉢に植えるなら、ポットよりも一回り大きなサイズを用意してください。

地植えにするなら、周りの植物を駆逐しないように、地下茎が広がらないように遮断する囲いを設置しましょう。

・水やり

地植えの場合は降雨のみで育ちます。

鉢植えで育てるなら、土の表面が乾燥したらたっぷり水を与えましょう。

また一般的な植物の場合、受け皿に溜まった水は根腐れ防止のために捨てるのが基本ですが、ドクダミの栽培では受け皿に溜まった水から給水させる「腰水栽培」も可能なので、水を捨てずにそのままにしても構いません。

・肥料

基本的には必要ありませんが、鉢植えで花つきを良くしたいのなら、花の咲く前の4月に緩効性化成肥料を置き肥しましょう。

・病害虫

ドクダミがかかりやすい病害虫の報告はほぼありませんので、心配しなくてもよいでしょう。

・間引きと切り戻し

ドクダミ栽培では、過度な繁殖をさけるため、定期的に間引きをおこなってください。

また梅雨後の開花後は、切り戻しをしておきましょう。

●ドクダミ栽培の注意点

栽培管理に手間がかからず、育てやすさの点では抜群なドクダミですが、頑強な生命力ゆえ繁殖のしすぎには注意が必要です。


ドクダミは土の中深くに根をのばし、そこからさらに地下茎を伸ばして増えていきます。


したがって、地上に出ているドクダミだけを除去しても効果はなく、環境が適していれば、さらに繁殖が続きます。
地植え栽培でドクダミが増えすぎて困ったら、次の駆除対策を試してみてください。

・熱湯をかける

駆除対策で一番簡単な方法で、除草剤を使用したくない人にむいています。

ただし、効果がでるまで数日間かかるので様子を見て、効果が薄いようなら何度か熱湯をかけてみてください。

また、周辺の植物に熱湯がかかると同様に枯れてしまいますので、注意しながらおこないましょう。

・重曹水をまく

重曹水をまく前に地上に出ているドクダミの刈り取り作業を行いましょう。

次に水の中に重曹を溶かし(濃度8%)、ドクダミの上に散布します。

重曹水がドクダミにかかることにより、ドクダミが酸欠状態になり次第に枯れていきます。

・苦土石灰をまく

ドクダミはアルカリ性土壌を好まない性質があります。

したがって、ドクダミを土から抜いた後、同じ場所に苦土石灰をまけば、土壌がアルカリ性に傾きドクダミが生えにくくなります。

いずれの駆除方法も、ドクダミの花が咲く前、新芽のうちにおこなうと効果的です。

●栽培以外でのドクダミの利用方法

ドクダミは昔から「十薬」といわれ、解毒や抗菌作用、動脈硬化や高血圧の予防薬として使われてきました。


現在でも、どくだみ茶・天ぷら・入浴剤・化粧水・虫除けなどさまざまな用途で活用されています。


増えすぎによる駆除の前に、ドクダミを採取して生活に取り入れてみるのもよいでしょう。

●さいごに

ドクダミは繁殖による他の植物への影響を除けば、手間をかけることなく育てられます。


ただし、グランドカバーで使うなら地植えでも構いませんが、観賞用として育てるなら鉢植え栽培がおすすめです。


寄植えの素材をお探しの方、斑入り品種で庭を明るくしたい方、ドクダミ栽培をはじめてみてはいかがでしょうか。

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観賞用にも! ザクロの植え付けから収穫まで栽培ポイント4点

ジュースやカクテル、シロップなどでおなじみのザクロ。


近年では生活習慣病の予防や美容に効果が期待できるとされ注目を集めています。


現在市場に出回っているザクロの9割はアメリカ産。


日本国内では和歌山県の限られた地域しか生産されていないため、国内産のザクロの流通は限られています。


そんなザクロですが、実の収穫はもちろんのこと、赤く美しい花を咲かせるため、観賞用の庭木として十分に活用が可能です。


そこで今回は、鑑賞だけでなく収穫もできるザクロの栽培方法についてご紹介します。

◆ザクロってどんな果実?

ザクロはアフガニスタンやイラン近辺を原産地とし、日本には平安時代に輸入されてきたといわれている果実です。


実は赤く6~10センチと片手で収まるくらいのボリューム。


大きいもので重さは300グラムほどです。


私たちが食するのは、実を割ったときに出てくる赤いツブツブの部分。


収穫したザクロの実は絞ったり潰したりしてジュースなどにしますが、そのまま生でも食べられます。


味は甘くて酸っぱい特徴があり、タンニン・アントシアニン・カリウムなどを含むため栄養価が高いとされています。

◆ザクロの好む環境

ザクロは暖かい地域を原産地とするため、基本的には日光のよく当たる場所で育てましょう。


耐寒性もありますが、日本国内での栽培可能な北限は甲信越地方。


冬期に気温が低い地域では鉢植えでの栽培をおすすめします。


ザクロは放任したまま育てるとすぐに人の背丈を超えるほどの高さになりますので、なるべく高さと広さのあるスペースを選びましょう。


小さなザクロを希望するなら、姫ザクロや一才ザクロのような品種を選択するとコンパクトに栽培が楽しめ、鉢植えでの栽培も可能です。

◆ザクロの植え付け

ザクロは種からの栽培も可能ですが、種を植えてから収穫までに3~5年(品種による)の時間が必要です。


そのため栽培の目的が収穫ならば、苗木の購入からはじめましょう。


苗木の購入で気をつけるべき点は、観賞用と収穫用の苗木を見極めること。


加えて、1年生苗・2年生苗・大苗など苗の大きさに分けられて販売されている場合もあるので、好みの品種とともに育てられた年月もチェックしておくことが大切です。


ザクロは基本的に土を選びませんが、保水性と排水性に優れ、弱酸性よりの土質を好みます。


苗を植え付ける適期は3月下旬から4月上旬にかけて。


植え付ける場所の土をしっかり耕し、腐葉土または堆肥を混ぜ込んだ後、およそ深さ30センチ、幅は苗よりも一回り大きいサイズ穴を掘って植え付けましょう。

◆ザクロの日常管理

●水やり

ザクロの水やりは鉢植え、または地植えによって方法が異なります。


鉢植え………土の表面が乾燥して色が薄くなってきたら、水をたっぷり与えましょう。


土が乾燥していないうちに水やりをすると、根腐れの原因となるので注意が必要です。


地植え………植え付け後苗木がしっかりと根付くまで、または苗木が若く気温が高い季節はたっぷりと水を与えてください。


秋や冬になり気温が下がってきたら水やりの回数を減らしていきましょう。


苗木が十分に根付いた後は、降雨のみで育ちます。

●肥料

ザクロの肥料は速効性化成肥料または有機質肥料を使います。


与えるタイミングは次のとおりです。


・鉢植え………芽吹く時期(3月)と収穫後(10月)
・地植え………芽吹く時期(3月)と開花後(7月)・収穫後(10月)


ザクロの花つきが悪くなるので、窒素分の多い肥料は避けてください。

●剪定

ザクロの剪定で気をつけるポイントは剪定の時期です。


というのは、ザクロの花芽は花が咲く前の年の枝にできるため、選定時期を間違えると翌年に花が咲かないばかりか、収穫もできなくなってしまうためです。


適期は葉が落ちた後の12月から2月にかけて。


樹木が大きくなるのを避けるための強剪定は避け、間引き程度にとどめておきましょう。


徒長枝や木の内側や真上に向かって伸びている枝をカットすると、日光の当たりや病害虫を防ぐための風通しを良くすることができます。

●摘果

ザクロの花は実をつける、つけないに関わらず咲くといわれています。


摘果は幼いうちに不要とされる実を取り除く間引き作業。花の子房が細い、または小さいものは摘み取っておきましょう。


摘果の作業をすることで、これから成長する果実に十分な栄養を行き渡らせましょう。

◆ザクロの収穫

ザクロの収穫適期は10月上旬から11月にかけて。


その頃になると完熟するにしたがい実が赤く変化し、割れてくる様子が見られます。


品種によっては裂けないものもありますが、ザクロの実が裂けだしたら、雨による腐敗や鳥による食害があるので早めの収穫をおすすめします。

さいごに

ザクロは自家結実性植物なので1本でも実がなる植物です。


ただし確実に収穫をしたいなら、筆先を使って人工受粉をしておきましょう。


病害虫の発生も比較的少なめですのでぜひザクロ栽培にチャレンジしてみてくださいね。

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ガーデニングで暮らしを豊かに!初心者でも育てやすいハーブ5選

古くはメソポタミア時代から使われていたとされるハーブ。
今や私たちの生活に馴染み深い存在ですが、その歴史は紀元前から始まり、時代を経ながら色々な使われ方が研究されてきました。
一般家庭のガーデニングでハーブを楽しむなら、栽培が簡単で手軽に利用できるものがいいですよね。
今回は、初心者でも育てやすいハーブを5つに絞ってご紹介します。

チャイブ

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#明日花咲かも#楽しみの一つだったなぁ💕 #チャイブ

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5~7月にかけて薄紫色の花を群生して咲かせる「チャイブ」は、ネギ科に属する多年草ハーブ。
草丈は約30㎝で園芸用や観賞用として育てるなら、グランドカバーや花壇の縁取りとして活用することができます。
好む栽培環境は、弱アルカリの肥沃な土壌と日当たりの良い場所。
夏の強い日光は少し苦手なので、夏場は日光を少し遮る工夫をすると、葉がかたくならずにすみますよ。
環境に問題がなければどんどん育ちますので、株が密集してきたら株分けをするとよいでしょう。
チャイブを食用として利用するなら、主に葉の部分を使用します。
用途はサラダやお茶、卵料理など。
チャイブはネギ科の仲間なので、ネギや玉ねぎのような香りを放ちます。
収穫のポイントは、株元から2~3㎝を使用し、早めに花を摘み取っておくこと。花が咲くと葉がかたくなるので注意してくださいね。

タイム

葉柄を食材として使える「タイム」は、フランス料理で大活躍のハーブです。
多くの調理法や食材にマッチし、消毒効果も期待できることからタイムのハーブティは、うがい薬として使われることもあるようです。
好む環境は、水はけの良い乾燥気味の気候。
反対に高温多湿は好まず、株が混み合うと弱ることがあるので注意しましょう。
耐寒性に優れ、冬は雪の下でも耐える力があるので、寒い地方でも心配なく育てることができますよ。
地植えにすればほぼ水やりの必要はなく、肥料や病害虫の心配も必要なし。
蒸れを防ぐために、様子を見ながら定期的に刈り込みを行えば、初心者でも簡単に育てることができます。
一口にタイムと言ってもその種類は数百もあると言われており、食材に利用するなら「コモンタイム」が適しています。
また、園芸用にするなら「立性」または「ほふく性」の2種類があるので好みを考えて選ぶとよいでしょう。

フェンネル

「ウイキョウ」の別名を持つフェンネルは、最大約2mにも伸びる草丈とアスパラガスのような細かい葉が特徴です。
ハーブの中でも大きな部類に属すので、鉢植えよりも地植えで育てるほうが適しています。
また、地植えの場合も株間約50㎝を確保し、風にあたる場合は支柱を添えると安心でしょう。
低温で多湿・高温で乾燥した環境を苦手としますので、水はけと日光のあたる場所に植えましょう。
甘味と苦みを持ち合わせたフェンネルは、主に葉・種・茎の根元を食用として使うことが可能。
葉は香り付け、種はスパイス、根元は炒め物など多様に活用することができますよ。
観賞用として植えるなら「ブロンズフェンネル」がおすすめ。
他のフェンネルと同様に黄色の花を咲かせますが、葉が銅緑色(ブロンズ色)なので庭のアクセントとして活用するとよいでしょう。

ラベンダー

「ラベンダー」と言えば、一面に広がるラベンダー畑を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
ラベンダーは鉢植え・地植え共に育てることができる多年草ハーブ。
独特の良い香りがリラックス効果をもたらすとされており、ポプリや精油の原料として多く利用されています。
種から植えることもできますが、苗を購入して植え付ける方が楽に育てることができますよ。
地植えの際の注意点は植える場所。
移植を嫌いますので、育てる場所は長年利用できる場所を選ぶとよいでしょう。西日が当たる場所は避け、日光・風通し・水はけの良い環境を選んでください。品種にもよりますが、収穫のタイミングは花穂が3~5輪開いたとき。
開花するに従って香りが流れてしまうので、早めの収穫を心がけるとよいでしょう。
収穫後はドライフラワー・ラベンダースティック・ポプリなどにして独特の香りを楽しみましょう。

ルバーブ

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我が家の畑で、一番早い収穫🌿 ✨ルバーブ✨ フキに似ていますが、和名で食用大黄とも言われます。 食物繊維とカリウムが豊富で、便秘と浮腫の解消効果があります。 酸味があり、ビタミンCカルシウムも含まれ、茎の赤さはアントシアニンが豊富✨✨✨ 美肌効果、抗酸化作用もあり、女性の強い味方です💖 もう20年以上前に、種から植え転居の時は植え替えたり、実家に株分けして保管してもらい現在に至り絶やさず育てています。 我が家では、ジャムばかりで今朝からヨーグルトのお供です😋砂糖をまぶしタルトにも使われます🍰 #ルバーブ #食用大黄 #抗酸化作用 #カリウム #食物繊維 #カルシウム #ビタミンC #アントシアニン #アンチエイジング #家庭菜園

のりこさん(@noriko35alok)がシェアした投稿 –

赤い茎と大きな葉が特徴の「ルバーブ」は、アイスティー・ジャム・マフィン・ケーキなどに使われているシベリア地方原産のハーブです。
種は発芽力が強いのですが栽培難易度が高いので、苗を購入して育てた方がよいでしょう。
また、株は大きく生長するので鉢植えよりも地植えの方が適しています。
直射日光のあたらない日当たり、風通しのよい場所を好み、多湿を嫌うので可能であれば畝を作って植え付けるとよいでしょう。
ルバーブは涼しい気候に適しているので、関東地方より北では年に2回収穫できますが、関東以南の場合は年に1回の収穫が限度です。
1年目は株の充実をはかり、収穫は2年目以降。
その後は、4~5年間続けて収穫することができます。
収穫適期は5~6月。
葉柄(茎と葉を繋いでいる部分)が30㎝以上になったら付け根から清潔なハサミを使って切り取りましょう。
葉には毒素が含まれているので決して利用せず、4年目以降に株が細くなってきたら、株分けをして植え替えをしましょう。

ハーブの用途は種類によってさまざまです。
収穫して調理などに使わなくても、単に観賞用として楽しむこともできます。
どのような品種があるのかよく調べてみると、一段とハーブの奥深さを実感することができるでしょう。

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