普段おこなう庭のお手入れの一つに「雑草の除去」があります。
「よく見かける雑草なのに名前や特徴をよく知らない」なんてことはありませんか。
雑草といっても、綺麗な花を咲かせたり、食用に活用できたりするものなど種類は多く、興味深いものです。
今回は、普段目にする機会の多い雑草を5選に絞って、その特徴や対処方法などをご紹介しましょう。
ヒメジョオン
「ヒメジョオン」はキク科カシヨモギ属の一年草植物。
土質を選ばず、あまり日光の当たらない場所でも育つので、庭はもちろん、山・河川敷・街中など、どんな場所でも生きる強い生命力を持っています。
ヒメジョオンは種子についている白い冠毛で、人・風・雨などを利用しながら広範囲にわたって繁殖が可能。
花姿の特徴はロゼット型の葉・背丈程まで伸びる茎・白または淡赤色の頭状花です。
開花時期は6月くらいから夏が一般的ですが、場所によっては10月くらいまで咲くものもあります。
除去のタイミングは、枯れて越冬する前の時期または開花期直前まで。
基本的には手や鍬を使って除去作業をしますが、春先に生長しだす頃になると力を入れないと抜けなくなるので注意が必要です。
土壌を傷つけても構わない場合は、根からの除去がおすすめです。
群衆して花を咲かせる姿はとても可愛らしいので鑑賞を楽しみたいところですが、強靱な繁殖力を持ち合わせている点はおぼえておきましょう。
セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウの特徴は花期が10~11月と遅い時期であること。
北アメリカを原産とするキク科の植物で、150~300㎝にも生長して黄色い花を咲かせる強害雑草としても有名です。
多年草植物のセイタカアワダチソウは寒い時期がきても枯れず、地下茎と種の2つの方法で繁殖をするため、ほとんどの場合は1つの場所に大群をなして生息しています。
秋に黄色い花を一面に咲かせる姿は圧巻ものですが、他の植物に悪影響を及ぼす可能性も。
セイタカアワダチソウの根から出る阻害分泌物(アレロパシー)は、周りにある植物の種の発芽を抑制することで知られています。
そのため、ガーデニングをする上では除去が必須。
手で取り除こうとすると根が残る可能性が高く、あまり効果的ではありません。できれば適切な除草剤を使用して根を根絶させるの一番よいでしょう。
エノコログサ
「ネコジャラシ」の別名を持つエノコログサはその昔、形が犬の尻尾に似ているので「犬っころ草」と言われていました。
日光がよく当たる場所を好み、夏になると出てくる緑色をした穂が特徴的な雑草です。
食用としては活用されていませんが、イネ科の植物なので脱穀すれば食べられないわけではありません。
エノコログサは秋になると種子ができるので、発見次第なるべく早めに抜いたり、除草剤などで駆除したりしましょう。
放置しておくと他の植物と交雑しやすいため、穂の色や毛の太さの異なる色々なエノコログサの仲間を見ることができます。
しかしセイタカアワダチソウと同様にアレロパシー物質を放出したり、アレルギーのある人が花粉症を起こしたりすることもあるので、できる限り早めに駆除することをおすすめします。
オオバコ
オオバコと言えば、昔の遊び「オオバコ相撲」をご存じの方もいらっしゃるでしょうか。
オオバコ相撲とは、オオバコの茎や強い葉脈を引き抜いてお互い絡ませ合って、引っ張りながら強さを争う遊びです。
このように、オオバコは強靱な作りが特徴なので踏みつけに強く、人が良く歩く場所を好んで多く生息しています。
よって、地盤が軟らかな土壌や日光が当たりづらい場所ではあまり見かけることはありません。背丈は大きくとも20㎝位。
オオバコは、春から秋にかけて穂に小さな花を咲かせます。
葉は地面を這うように生えており、根と茎の再生力が強いので、手作業だけでの除去は困難です。
また、効果の弱い除草剤では太刀打ちできないことも。
除草剤を購入する時は、強い効き目が期待できるものを選ぶとよいでしょう。
スギナ
スギナはトクサ科目に属する多年草。
山菜などでお馴染みの「ツクシ」が生えた後に出てくる栄養茎を指します。
日本国内どこにでも生息し、生命力の強い深さ30㎝にもなる地下茎が特徴なので、地上部だけを刈り取っても再び生長をして、広範囲にわたってその勢力を広げ続ける厄介者の雑草です。
好む環境は酸性に傾いた土壌のやせた土地。
よって、除草剤の利用はもちろん、肥料を与えることで土が栄養豊富になりスギナの除去に効果的と言われています。
また、家庭菜園などの畑に生えた場合は防草シートを利用すると、作物に悪影響を与えないので安心です。
雑草と一口にいっても、きれいな花をさかせたり遊びに活用できたりと、すぐ除去してしまうのを憚ってしまうこともあるかもしれません。
山や道端に生息している雑草を鑑賞して楽しむのは良しとしても、ガーデニングにおいては周りの植物への影響も考えて、適切な方法で早めに取り除くことをおすすめします。